試合分析・戦評
8年ぶりの“ピースマッチ”。
ともに3-4-2-1でスタートした一戦は、序盤こそ慎重な探り合いだったが、時間の経過とともに広島が試合の温度を掌握した。
立ち上がりは互角。長崎は山口蛍選手を軸に縦パスからマテウス・ジェズス選手へ当て、前向きの局面を作る。19分にはカットインからのシュートで会場を沸かせた。しかし、前半全体のゴール期待値は長崎0.22に対し広島1.17。数値が示す通り、広島の圧力が徐々に効いていく。
35分、塩谷司選手の縦パスを受けた中野就斗選手がキックフェイントで中央へ侵入し、左足で先制弾。ここから広島の攻撃は加速する。加藤陸次樹選手、川辺駿選手のミドルが立て続けにポストとクロスバーを叩き、前半は1-0ながらも内容は広島優勢だった。
後半開始直後、試合は一気に動く。50分、鈴木章斗選手が抜け出して追加点。54分には東俊希選手のクロスに川辺駿選手が合わせ3点目。広島は奪ってからのトランジションが鋭く、長崎守備陣の一瞬のズレを見逃さなかった。
長崎も交代で流れを変える。ディエゴ・ピトゥカ選手投入後は中盤での保持が安定し、61%の時間帯ポゼッションを記録。81分、ノーマン・キャンベル選手のクロスをマテウス・ジェズス選手が決めて1点を返す。その後もチャンスを作ったが、決定力で差が出た。
最終スタッツはシュート数11対18、xGは1.26対1.70。
チャンスの質と量で上回った広島が、内容に裏付けられた勝利を収めた。
これからに向けて
■長崎は敗戦ながら、光は確実に見えた。
ディエゴ・ピトゥカ選手投入後のボール循環は明らかに改善し、後半の押し込みは今後への材料だ。山口蛍選手の縦パス、笠柳翼選手の推進力、ノーマン・キャンベル選手の突破力。個の強みは十分に通用している。
問題は「最初の失点後の耐性」と「決定機の質」。
だがこれは積み重ねで解決できる領域だ。
J1の強度を体感した開幕戦。
この90分は痛みではなく、進化のための設計図。
ホーム20,000人超の声援は武器になる。
次節、勝利を掴む準備は整っている。
■広島は完成度の高さが際立った。
塩谷司選手の縦パス、東俊希選手の配球、川辺駿選手の運動量。組織としての一体感がすでに仕上がっている。鈴木章斗選手はシュート5本超と存在感を示し、ストライカーとしての覚醒を予感させた。
3-4-2-1の可変性、奪ってからの速さ、そして交代選手の質。
タイトル争いを視野に入れるには十分な開幕内容だった。
まだ伸びしろはある。
守備の細部と試合終盤の締めを磨けば、優勝戦線は現実になる。
“ピースマッチ”を制した意味は大きい。
SNSの反応
◯長崎サポーター
「やっぱりJ1の強度は違う。でも戦えてた」
「ジェズス選手はやっぱり別格」
「後半の押し込みは次につながる」
「決めきれないとこうなる試合」
「ピトゥカ選手が入って流れ変わった」
◯広島サポーター
「開幕戦でこの完成度はポジれる」
「鈴木選手、完全にエース」
「川辺選手のゴール美しすぎる」
「塩谷選手の縦パスえぐい」
「優勝あるぞ、これは」
