試合分析・戦評
明治安田J1リーグ第29節、デンカビッグスワンスタジアムで行われたアルビレックス新潟対清水エスパルスの一戦は、清水が1-0で勝利を収めた。24,557人が詰めかけたスタジアムは両チームのサポーターの熱気に包まれ、“オレンジダービー”らしい激戦となった。
立ち上がりから主導権を握ったのは清水だった。前半16分、山原怜音選手の低いクロスに髙橋利樹選手が鋭く反応し、先制点を挙げる。序盤はセットプレーを含めて清水が効果的にチャンスを作り、相手の裏を狙う攻撃で新潟守備陣を揺さぶった。
一方の新潟は失点後も積極的なプレスとショートパスを軸に前進し、ブーダ選手やマテウス モラエス選手を中心に攻撃を仕掛ける。特に小原基樹選手や長谷川元希選手の果敢なシュートは清水ゴールを脅かしたが、最後の精度を欠き得点には至らなかった。前半終了時点ではシュート数で上回り、ポゼッションも57%を記録したが、0-1のビハインドで折り返すこととなった。
後半は新潟がさらに攻勢を強める。途中出場の島村拓弥選手や橋本健人選手がサイドで躍動し、クロスやCKから再三ゴールに迫る。谷口海斗選手のヘディングや長谷川元希選手の決定機もあったが、GK梅田透吾選手を中心とした清水守備陣が集中力を切らさず対応。清水は[5-4-1]のブロックで中央を固め、カウンターで試合をクローズする戦い方に徹した。
最終的に新潟は17本のシュートを放ち、ゴール期待値も1.54と清水を上回ったが、枠内シュートはわずか3本にとどまり、得点を奪えなかった。清水は少ないチャンスを確実に仕留め、効率的な試合運びで貴重な勝点3を獲得。新潟はリーグ戦10試合未勝利と苦境が続く一方で、清水は5試合ぶりの勝利を挙げ、順位争いにおいて大きな一歩を踏み出した。
これからに向けて
新潟は敗戦こそ喫したが、試合内容は決して悲観すべきものではなかった。特に後半は攻撃の厚みを増し、途中出場の島村拓弥選手や橋本健人選手が流れを大きく変えた点は明るい材料だ。シュート数17本と攻撃面での積極性はリーグでも屈指であり、あとはゴール前での冷静さとフィニッシュの精度が加われば勝利は近い。ブーダ選手やマテウス モラエス選手が見せた突破力、長谷川元希選手の果敢なプレーはチームに活力を与えており、若手とベテランが融合した攻撃は確実に相手に脅威を与えている。リーグ戦は残り10試合。厳しい状況にあるが、チーム一丸となって攻撃姿勢を継続すれば、勝点を積み上げて残留争いを乗り切る可能性は十分にあるだろう。
清水は効率的な試合運びを見せ、勝利に値するパフォーマンスを披露した。高橋利樹選手の決定力はチームに勢いを与え、山原怜音選手の攻撃参加も冴えわたった。守備面ではキムミンテ選手を中心に集中を切らさず、梅田透吾選手の好守が最後までチームを救った。特に終盤、新潟の猛攻を受けながらも冷静に対応し、勝利への執念を全員で共有していた姿は、チームに強い一体感を生み出している。これで5試合ぶりの白星を手にしたことで、今後の戦いにも自信を持って臨めるはずだ。残りのリーグ戦で上位進出を狙う上で、この勝利は大きな意味を持つ。攻守両面でバランスの取れた戦いを継続すれば、さらに勝点を積み重ねられるだろう。
SNSの反応
新潟サポーター
「内容は良かったのに決め切れないのが本当に悔しい」
「島村選手や橋本選手の投入で流れが変わった。次こそ決めてくれるはず」
「10試合未勝利は苦しいけど、チームの戦う姿勢は信じたい」
「田代選手のセーブは素晴らしかった」
「最後のパワープレーは胸を熱くした。また応援する」
清水サポーター
「高橋利樹選手、さすがの決定力!」
「梅田選手のスーパーセーブに感謝」
「久しぶりの勝利、チーム全員で掴んだ」
「苦しい時間帯を守り切った守備陣を称えたい」
「この勢いで上位に食い込もう!」