試合分析・戦評
J1第28節、豊田スタジアムで行われた名古屋グランパス対FC東京の一戦は、残留争いの渦中にある両チームにとって負けられない重要な試合となった。直近の成績が伸び悩む両クラブは、それぞれ複数のメンバー変更を行い、新たな布陣で挑んだ。名古屋は3バックを組み直し、前線にはベテランの永井選手と山岸選手を起用。FC東京は出場停止者の影響で森重選手や東選手らを復帰させた。
試合は立ち上がりから激しい攻防が繰り広げられ、名古屋は12分に森島選手のFKがクロスバーを直撃するなど惜しい場面を作り出す。30分にも永井選手のシュートがクロスバーに嫌われるなど、前半は名古屋が決定機を演出する一方で、ゴールネットは揺れなかった。FC東京は山下選手や長倉選手がカウンターからシュートを放つも、名古屋GKピサノ選手の好セーブに阻まれ、0-0で折り返した。
後半に入ると、両チームがさらにギアを上げる。名古屋はセットプレーから佐藤瑶大選手がネットを揺らし、待望の先制点を獲得。しかしFC東京も交代策が功を奏し、終盤に遠藤選手がこぼれ球を押し込んで同点に追いついた。その後も名古屋は野上選手のヘディングシュート、FC東京は佐藤恵允選手のチャンスなど互いに決定機を迎えたが、ゴールを奪えず1-1でタイムアップ。
試合を通じて名古屋は13本のシュートを放ち、ゴール期待値も2.26と内容では優勢だったが、クロスバーや相手守備に阻まれ勝ち切れなかった。一方のFC東京は交代選手が流れを変え、最終盤に追いついた粘り強さが光った。両チームにとって勝点1は最低限の結果と言えるが、残留争いから抜け出すためには、次節以降で勝利を積み重ねることが求められる試合となった。
これからに向けて
名古屋は結果こそドローだったものの、試合内容には明るい材料が多く見られた。特に前半から積極的にシュートを放ち、クロスバーを直撃する場面や相手守備を崩す場面を何度も作り出したことは評価できる。また、セットプレーからの得点は、シーズンを通して重要な武器となる兆しを示した。佐藤瑶大選手が押し込んだゴールは、守備で奮闘しつつ攻撃でも結果を残すという理想的な形だった。さらに、ベテランの永井選手と山岸選手の前線での献身的な動きが、チーム全体を押し上げる大きな原動力となった。守備面でも3バックの再構築が奏功し、大量失点を防げたことは収穫と言える。この試合で見せたアグレッシブさを維持できれば、残留争いから抜け出す大きな一歩になるはずだ。
FC東京にとっても、この試合は大きな自信につながる内容だった。先制を許しながらも、途中出場の遠藤選手が値千金の同点弾を決め、交代策がしっかり機能したことはポジティブな要素だ。また、ベテランの森重選手や東選手が久しぶりに先発に名を連ね、経験値豊富な選手たちが試合を落ち着かせる存在感を発揮した点も見逃せない。さらに、GKキムスンギュ選手が再三の好セーブでチームを救い、勝点1獲得につなげたのは大きな成果だった。交代で投入されたマルコスギリェルメ選手やマルセロヒアン選手も前線で流れを変える動きを見せ、層の厚さを証明した。苦しい残留争いの中でも、戦う姿勢と粘り強さを示せたことは、今後の試合に向けて前向きな材料となるだろう。
SNSの反応
名古屋グランパスサポーター
「クロスバーに何度も阻まれて悔しいけど、内容は良かった!」
「佐藤瑶大選手のゴールは魂がこもっていた」
「ピサノ選手のセーブがなかったら負けていたかも」
「永井選手と山岸選手の連携は今後の希望」
「勝ちきれなかったけど、前進を感じる試合だった」
FC東京サポーター
「遠藤選手が救世主!あの詰めは本当に大きい」
「守備が崩壊せず耐えられたのは成長の証」
「森重選手が復帰して安定感が出た」
「ギリェルメ選手のFKは惜しかった!」
「この勝点1を無駄にせず次こそ勝ちたい」