試合分析・戦評
J1第27節、柏レイソルと浦和レッズの一戦は、三協フロンテア柏スタジアムで13,922人の観衆の熱気に包まれて行われた。前半は浦和が効率的なカウンターを軸に試合を進め、開始5分にマテウス サヴィオ選手のCKから長沼 洋一選手が先制点を奪取。さらに43分には松尾 佑介選手が冷静に決め、0-2とアウェイの浦和がリードして折り返した。柏は小屋松 知哉選手や山田 雄士選手らが積極的にシュートを放つも、GK西川 周作選手の好守や守備陣の粘りに阻まれ、得点には至らなかった。
しかし後半、柏が一変する。瀬川 祐輔選手と杉岡 大暉選手を投入すると攻撃に厚みが増し、49分には小屋松選手のクロスから瀬川選手が押し込み1点を返す。以降も柏が圧倒的に主導権を握り、浦和は自陣に押し込まれる展開に。浦和の石原 広教選手が負傷交代で下がったことで右サイドの守備に綻びが生じ、そこを柏が徹底して突いた。
83分、細谷 真大選手が粘り強いプレーから自らゴールを決め、試合を振り出しに戻すと、90分には小西 雄大選手が意表を突くクロス性のシュートで逆転。さらにアディショナルタイムには小屋松選手のシュートの跳ね返りを久保 藤次郎選手が押し込み、怒涛の4得点で大逆転劇を完成させた。
スタッツを見ても、柏はシュート23本と浦和の7本を大きく上回り、ゴール期待値(xG)でも3.11対0.84と圧倒。前半の拙攻を帳消しにする後半の猛攻で、首位争いに大きな勝点3を手にした。浦和は効率的に決めた前半こそ理想的な展開だったが、後半は守備の綻びを突かれ続け、試合を締め切れなかった点が悔やまれる内容となった。
これからに向けて
柏は苦しい前半を耐え、後半で一気に流れを引き寄せる勝負強さを発揮した。特に小屋松 知哉選手のドリブルとクロスは攻撃の起点となり、交代出場の瀬川 祐輔選手、細谷 真大選手、小西 雄大選手といったアタッカー陣が揃って得点を挙げたのは大きな収穫だ。選手層の厚さとベンチワークの的確さが証明され、優勝戦線に踏みとどまる力強いメッセージとなった。守備面でも前半こそ崩されたが、古賀 太陽選手を中心に集中を切らさず戦い続けたことが逆転劇を生んだ。攻撃と守備の切り替えも鋭さを増しており、残りシーズンでさらに勝点を積み上げる可能性は高いだろう。サポーターの後押しを受け、日立台らしい「最後まで諦めないサッカー」が存分に示された一戦だった。
浦和は前半の戦いぶりに光るものがあった。松尾 佑介選手の推進力、関根 貴大選手の仕掛け、そしてマテウス サヴィオ選手の精度あるセットプレーは相手に脅威を与え、2点のリードを奪うなど攻撃の形はしっかりと機能した。敗戦は痛いが、強度の高い柏の圧力の中で得た課題は、終盤戦に向けて貴重な糧となる。特に後半の反省点を修正できれば、上位陣との勝点差を再び詰められるはずだ。守備面でもGK西川 周作選手をはじめ、個々が体を張って失点を防いだ場面は多く、あとは最後まで組織を維持する継続性が求められる。優勝争いに残るためには痛みを糧にするしかない。逆境に強い浦和がここから巻き返す可能性は十分だ。
SNSの反応
柏レイソルサポーター
「日立台劇場、これぞレイソル!最後まで諦めない姿勢に感動」
「瀬川選手と細谷選手が頼もしすぎる。途中出場組が大仕事!」
「小屋松選手のドリブルが効きまくってた。完全にゲームチェンジャー」
「小西選手のゴール鳥肌もの。あれで完全に勝負決まった」
「23本シュートの圧力、優勝狙えるチームだと確信した」
浦和レッズサポーター
「前半は完璧だったのに…後半は完全に押し込まれた」
「松尾選手のゴールは素晴らしかった。あれをもっと増やしたい」
「西川選手が止めてなかったらもっと失点してた。頼れる守護神」
「石原選手の交代が大きかった…守備のバランスが崩れた」
「悔しいけど、上位直接対決はまだ残ってる。切り替えていこう!」