試合分析・戦評
J1第27節、新潟と鹿島の一戦は26,100人の大観衆が見守る中、デンカビッグスワンスタジアムで行われた。両チームの状況は対照的で、新潟は20位からの浮上を狙い、鹿島は首位に迫る立場で勝点3が絶対条件だった。序盤は鹿島がプレスからの速攻で試合を動かす。前半4分、エウベル選手のクロスに鈴木優磨選手が反応し、左足で冷静に決めて先制点を奪取。鹿島にとっては先制した試合で高勝率を誇るだけに、理想的な入りとなった。
しかし新潟も気迫を見せる。17分、相手のバックパスが流れた隙を突いたブーダ選手がシュート。GK早川友基選手に阻まれたものの、こぼれ球をMモラエス選手が押し込み、移籍後初ゴールで同点に追いついた。新潟はその後も橋本健人選手や小原基樹選手を中心にサイドから攻撃を仕掛け、鹿島ゴールを脅かす。前半のシュート数は互角ながら、ポゼッションでは新潟が上回り、ホームの声援に応える戦いぶりを見せた。
後半は鹿島が修正を加えた。舩橋佑選手に代えてチャヴリッチ選手を投入すると、右サイドの推進力が向上。濃野公人選手や樋口雄太選手との連係から度々決定機を作った。一方の新潟もブーダ選手や長谷川元希選手が積極的にシュートを放ち、終盤まで勝ち越しを狙った。だが決定力を欠き、GK早川友基選手の好守に阻まれた。
試合を決めたのは終盤の鹿島。87分、小川諒也選手のクロスにレオ セアラ選手が飛び込み、相手DFに当たったシュートがゴールネットを揺らした。途中出場の一撃でアウェイの鹿島が勝負を決め、2-1で勝利。鹿島は首位争いに踏みとどまり、一方の新潟は8試合未勝利と苦しい状況が続いた。攻守に見せ場を作ったものの、勝点に結びつけられない試合運びが課題として浮き彫りとなった。
これからに向けて
新潟にとっては悔しい敗戦となったが、内容面では収穫が多かった。特にMモラエス選手が移籍後初ゴールを挙げたことは大きなニュースで、攻撃の選択肢が広がるきっかけになるだろう。また、橋本健人選手や小原基樹選手らサイドアタッカーが積極的に仕掛け、鹿島守備陣を何度も翻弄した点は評価できる。守備においても舩木翔選手や舞行龍ジェームズ選手が身体を張り、ゴール前で粘りを見せていた。8試合未勝利ではあるものの、内容は改善されつつあり、勝点につながる試合は近い。残留争いは厳しさを増すが、サポーターの大声援を力に変えて、この勢いを持続できれば必ず好転する。特にホーム戦での粘り強さを武器に、次節以降も果敢なチャレンジを続けたい。
鹿島にとっては勝負強さが光った一戦だった。序盤に鈴木優磨選手が先制点を奪い、試合の主導権を握ると、終盤には途中出場のレオ セアラ選手が値千金の決勝弾。選手層の厚さと采配の的確さが勝利を呼び込んだ。さらに、守護神・早川友基選手のビッグセーブが幾度もチームを救い、最後まで集中力を切らさなかった点も印象的である。首位争いのプレッシャーがかかる中で勝点3を積み上げられたことは、優勝戦線を戦ううえで大きな価値を持つ。特に途中出場の選手が結果を残したことは、今後の連戦を考える上でもポジティブな材料だ。攻撃陣の厚みと守備の安定感を両立できれば、タイトル奪還は現実味を帯びるだろう。
SNSの反応
新潟サポーター
「モラエス選手のゴールは希望!これからに期待したい」
「最後まで攻めたのに決めきれないのが悔しい」
「8戦未勝利でも内容は悪くない、次は勝てる」
「橋本選手と小原選手の突破はワクワクした」
「スタジアムの雰囲気は最高、選手を信じて応援し続ける」
鹿島サポーター
「レオ セアラ選手、途中出場で決めるのさすが!」
「早川選手のビッグセーブに救われた試合」
「優磨選手が得点するとチームが落ち着く」
「苦しい試合でも勝ち切るのがアントラーズらしい」
「暫定首位!この勢いでタイトルを取り返そう」