試合分析・戦評
J1第27節、パナソニック スタジアム 吹田で行われたガンバ大阪対横浜FCの一戦は、激しい攻防の末、3-2でガンバ大阪が逆転勝利を収めた。序盤はホームのガンバ大阪がボールを握る展開となったが、横浜FCはコンパクトな守備ブロックから鋭いカウンターを繰り出し、先に試合を動かす。前半41分、ジョアンパウロ選手のロングパスに抜け出したアダイウトン選手が豪快に決め、横浜FCが先制した。ガンバ大阪は直前まで攻め込みながらもゴールを奪えず、嫌な時間帯での失点となった。
しかし、前半終了間際に反撃。半田陸選手のクロスをD・ヒュメット選手が押し込み、同点に追いついてハーフタイムを迎える。後半に入ると試合はさらに動きを見せた。52分、D・ヒュメット選手が抜け出した場面でンドカ選手のハンドを誘発し、VARの結果ガンバ大阪にPKが与えられる。これを宇佐美貴史選手が冷静に沈め、逆転に成功。さらに途中出場のファンアラーノ選手がリズムを与えると、81分にその流れから再び宇佐美選手が追加点を決めてリードを広げた。
終盤は横浜FCも反撃を見せ、アディショナルタイムに櫻川ソロモン選手の折り返しから室井彗佑選手が華麗にゴールを決め、1点差に迫る。最後まで目の離せない展開となったが、ガンバ大阪が逃げ切りに成功。ホームで価値ある勝ち点3を獲得し、連敗を「3」でストップさせた。
数字面ではガンバ大阪がポゼッションで優位に立ち、横浜FCは速攻からの鋭い攻撃で対抗した。シュート数はガンバ大阪15本、横浜FC14本と拮抗し、ゴール期待値(xG)でもガンバ大阪2.19に対し横浜FC1.35と、内容でも互角に近い展開だった。ガンバ大阪は主導権を握りながらも失点のリスクを背負った試合運びで課題を残したが、決定力とベテラン宇佐美選手の勝負強さが勝敗を分けた試合だった。
これからに向けて
ガンバ大阪にとっては、苦しい流れを断ち切る大きな勝利となった。特に宇佐美貴史選手が2得点を挙げ、エースとしての存在感を改めて示したことは大きい。途中出場のファンアラーノ選手や美藤倫選手が攻撃の推進力を与えた点も、チーム全体にとって収穫だった。守備では一瞬の隙を突かれて失点する場面があったものの、粘り強く跳ね返し続けたことで勝利に結びついた。過密日程の中で選手を入れ替えつつも結果を残せた点は、チームの底上げを示すものだ。今後は上位進出を狙うためにも守備の安定性を高めつつ、宇佐美選手を軸に攻撃の多様性を広げることが重要になる。若手とベテランの融合が進んでおり、ここからさらにチーム力が増す可能性を大いに感じさせる一戦だった。
横浜FCにとっては惜しい結果となったが、収穫の多い試合内容だった。アダイウトン選手の先制点は持ち味であるスピードと突破力を存分に発揮したもので、相手の守備を崩す力を改めて証明した。また、交代で入った櫻川ソロモン選手や室井彗佑選手が得点に絡んだことは、チームにとって大きなポジティブ要素だ。最後まであきらめない姿勢で攻め続けたことは、サポーターの心を動かしたに違いない。失点場面では個の対応や判断の部分で課題を残したものの、攻撃に厚みを持たせられる選手層の広がりが見えた。勝ち点こそ逃したが、攻守両面で次につながる内容であり、今後の残留争いを乗り越える上で確実に自信となる。継続的なチャレンジを重ねることで、次節以降の勝利も十分に期待できる。
SNSの反応
ガンバ大阪サポーター
「宇佐美選手、やっぱり頼れるエース!痺れた!」
「ヒュメット選手の存在感がすごい、相手DFを押し込んでた」
「ファンアラーノ選手が入ってから一気に流れが変わった」
「失点はあったけど、今日は勝ち切ったことが大事」
「スタジアム最高の雰囲気、サポーターの声援が後押しした!」
横浜FCサポーター
「アダイウトン選手のゴール、鳥肌立った」
「室井選手のゴールでまだまだ戦えると感じた」
「最後まで攻める姿勢を見せてくれて誇らしい」
「失点は悔しいけど、内容は悪くなかった」
「交代組が結果を出したのはポジティブな材料!」