試合分析・戦評
明治安田J1リーグ第27節、味の素スタジアムで行われたFC東京と京都サンガF.C.の一戦は、0-4で京都が圧倒的な勝利を収めた。開始早々から京都が積極的なプレッシングで主導権を握り、前半5分に福田選手がPKを獲得。これをラファエル・エリアス選手が落ち着いて沈めて先制すると、11分にもGKキム・スンギュ選手のミスを突いて再びPKを獲得し、同じくラファエル・エリアス選手が決めて早々に2点のリードを奪った。FC東京はボール保持率で上回りながらも決定機を活かせず、前半終了間際の45分には平戸選手のクロスを鈴木義宜選手がヘディングで押し込み、京都が3-0と突き放して折り返した。
後半もFC東京が押し込み続けたが、京都GK太田岳志選手の好守に阻まれる場面が目立った。長友佑都選手やマルセロ・ヒアン選手らが積極的に仕掛け、東慶悟選手やマルコス・ギリェルメ選手もシュートを放ったが、ことごとく防がれてゴールを奪えない。すると81分、自陣からのビルドアップでのミスを突かれ、松田天馬選手がカットしたボールをラファエル・エリアス選手が冷静に流し込み、ハットトリックを達成。試合を完全に決定づけた。
最終的にFC東京はシュート19本・枠内9本と積極的に攻め込んだが、ゴール期待値2.06に対して無得点と決定力不足が露呈した。一方の京都は11本のシュートで4得点と効率的な攻撃を見せ、守備でもGK太田選手を中心に最後まで集中を切らさなかった。これで京都は8戦無敗と絶好調を維持し、首位に浮上。FC東京はホームでの大敗となり、下位脱出に向けて課題を突き付けられる結果となった。
これからに向けて
FC東京にとっては苦しい敗戦となったが、収穫も多い試合だった。まずボール保持率で70%を記録し、攻撃面で主導権を握る時間帯を作れた点は評価できる。特に俵積田選手やバングーナガンデ佳史扶選手のサイドからの仕掛けは、京都守備陣を脅かす場面を何度も演出した。さらに新加入のマルコス・ギリェルメ選手や若手の小湊絆選手がベンチ入りし、後半からはマルセロ・ヒアン選手も積極的にゴールを狙う姿勢を見せるなど、将来性ある選手たちがチームの新たな武器となる可能性を示した。
守備面では序盤の2つのPKが重く響いたが、それ以外の場面ではショルツ選手や岡選手を中心に粘り強さもあった。あとは試合の入り方を改善し、決定機を確実にものにする力を高めれば、十分に巻き返しは可能だ。次節以降に向け、今節の課題を糧として「攻撃の厚み」と「決定力」を磨けば、下位脱出と上位進出のチャンスは残されている。
京都にとっては、チーム全体の一体感と好調ぶりを象徴する勝利となった。特筆すべきはラファエル・エリアス選手のハットトリック。PKを冷静に沈めただけでなく、流れの中からも得点を奪い、ストライカーとして絶対的な存在感を示した。また、守備面ではGK太田岳志選手のファインセーブが光り、苦しい時間帯をことごとく凌いだことが大きい。さらに平戸選手のアシストや松田選手の運動量など、中盤から前線にかけて多彩な攻撃が展開された。
チームはこれで8戦無敗、首位に浮上と絶好調。若手とベテランがうまく融合し、交代で入った山田選手や須貝選手も持ち味を発揮するなど、層の厚さも感じられる内容だった。今後はこの勢いを維持しつつ、上位との直接対決で勝ち点を積み重ねることができれば、悲願のタイトル獲得も現実味を帯びてくるだろう。攻守のバランスが取れた京都の今後に大きな期待が寄せられる。
SNSの反応
FC東京サポーター
「シュートは多かったのに決められないのがもったいない」
「新加入選手のギリェルメ選手や小湊選手には希望を感じた」
「序盤のPK2本で試合が壊れてしまった」
「ホームで4失点は厳しいが、内容は悪くなかった」
「太田選手にことごとく止められた…あれがなければ展開は違ったはず」
京都サポーター
「Rエリアス選手のハットトリック!頼もしすぎる」
「太田選手のスーパーセーブ連発で勝利を引き寄せた」
「攻守ともに集中力が高く、首位にふさわしい試合」
「平戸選手や松田選手も効いていて、チーム全員で勝ち取った感じ」
「この勢いでタイトルを狙える!夢が膨らむ勝利」