試合分析・戦評
明治安田J1リーグ第27節、ヨドコウ桜スタジアムで行われたC大阪対神戸の関西ダービーは、両チームの意地と意地がぶつかり合う激しい展開となった。試合開始直後から神戸はJパトリッキ選手を中心に果敢にゴールへ迫り、C大阪はGK福井選手の好セーブに救われた。立ち上がりは神戸のロングボール主体の攻撃に押し込まれたC大阪だったが、徐々に低い位置からのビルドアップでリズムをつかみ、攻撃回数を増やしていく。前半35分、その流れから香川真司選手がゴールネットを揺らす。ルーカス フェルナンデス選手が仕掛け、本間至恩選手が冷静に折り返し、最後は香川選手が左足で決め、ホームの観客を沸かせた。
しかし後半開始直後、神戸は采配を的中させる。井出選手とJパトリッキ選手に代えて投入された大迫勇也選手とエリキ選手の連携から、エリキ選手が力強い突破と冷静なシュートで同点弾を叩き込んだ。わずか3分で試合を振り出しに戻し、流れを引き寄せた。
その後は一進一退の攻防。C大阪は中島元彦選手や大畑歩夢選手のクロスから決定機を作り、特に中島選手のヘディングはGK前川黛也選手のビッグセーブに阻まれた。一方の神戸も、汰木康也選手や武藤嘉紀選手を中心に再三の仕掛けを見せ、途中投入のエリキ選手が攻撃の起点となった。両チーム合わせてシュートは16本ずつ、ゴール期待値も拮抗し、互いの守備陣の奮闘とGKの好守が光った。
最終的にスコアは1-1。C大阪は連敗を避けた一方で、ホームでの勝利を逃した悔しさも残る内容に。神戸にとっても上位追走を考えれば勝ち点3を逃したのは痛手だが、内容的にはアウェーで勝点1を拾った価値は大きい。夏の酷暑の中で繰り広げられた90分は、両クラブの強さと課題を浮き彫りにした関西ダービーだった。
これからに向けて
C大阪は序盤こそ神戸の勢いに押されたものの、徐々に自分たちのスタイルを取り戻し、低い位置から丁寧につなぐビルドアップで神戸のプレスを回避。そこから香川真司選手を中心に攻撃の厚みを作り出せたことは大きな収穫だ。特に左サイドの大畑歩夢選手や本間至恩選手の積極的な仕掛けは、相手守備陣を何度も慌てさせ、試合の主導権を握る場面を作った。決定機を仕留めきれなかったのは課題だが、攻撃の形は確実に整いつつある。また、吉野恭平選手ら新戦力が早くも存在感を発揮しており、チームとしての厚みも増している。今後は決定力の精度を高めることで、上位との勝点差を詰めることが可能だろう。今節の戦いは、勝利こそ逃したものの、確かな成長と次への手応えを示した試合だった。
神戸はアウェーでのタフな戦いの中、采配が大きく試合を動かした。後半開始から投入された大迫勇也選手とエリキ選手がいきなり結果を残し、チームに勢いを与えたことは今後の戦いにおいても大きな意味を持つ。特にエリキ選手は得点以外にもドリブルで相手守備を引き裂き、ゴールに直結する動きを何度も披露した。また、GK前川黛也選手のビッグセーブや守備陣の粘り強さも際立ち、最後まで勝点を持ち帰る粘りを見せたことは評価できる。首位争いを意識する位置にいる神戸にとって、こうした苦しい試合で勝点を拾えたことは今後につながる。攻撃の選択肢の幅が広がったこと、ベンチメンバーを含めた総合力の高さを証明した試合となった。
SNSの反応
C大阪サポーター
「香川選手のゴール、やっぱり頼りになる存在!」
「本間選手と大畑選手のコンビ、これからもっと怖い存在になりそう」
「勝てなかったのは悔しいけど、攻撃の形は良くなってる」
「福井選手のセーブに救われた試合」
「決定力不足を解消できれば上位も狙える!」
神戸サポーター
「大迫選手とエリキ選手、やっぱり流れを変えてくれる」
「アウェーで勝点1は大きい!」
「前川選手のスーパーセーブに感謝」
「首位争いを続けるには、こういう試合で勝ち切りたい」
「交代で流れを変えられるのが今の神戸の強み」