試合分析・戦評
J1第26節、IAIスタジアム日本平で行われた清水エスパルス対横浜F・マリノスの一戦は、雨の中で行われた激しい攻防戦となった。ホームの清水は序盤からボールを保持し、左サイドのカピシャーバ選手やブルネッティ選手を起点に攻撃を仕掛け、相手陣内での時間を多く作った。しかし、コンパクトに守備を固める横浜FMの守備を前に決定機を作り切れず、逆に相手の効率的な攻撃に苦しむ展開となった。
試合を動かしたのは横浜FMだった。前半16分、ヤン・マテウス選手のスルーパスに抜け出した加藤蓮選手がクロスを送り、これに角田涼太朗選手が合わせて先制。復帰戦を自らのゴールで祝う形となった。さらに29分には植中朝日選手のポストプレーから渡辺皓太選手が中央を切り裂くスルーパスを供給。これを新加入のディーン・デイビッド選手が冷静に流し込み、横浜FMがリードを広げた。効率的にゴールを奪った横浜FMに対し、清水は決定力不足が響き、0-2で前半を折り返した。
後半開始と同時に清水は乾貴士選手、北川航也選手、山原怜音選手を投入。テンポの良いパスワークとサイド攻撃で攻勢を強める。乾選手や山原選手のクロスから何度もゴール前の場面を作ったが、横浜FMの守備陣とGK朴選手の好守に阻まれ得点には至らない。逆に71分にはヤン・マテウス選手がポスト直撃の惜しいシュートを放ち、追加点の予兆を見せる。そして終盤の後半35分、ジャン・クルード選手の縦パスに抜け出した谷村海那選手が冷静にゴールを決め、勝負を決定づけた。
清水は終了間際の後半45分、山原選手のクロスに北川選手が反応し、ダイレクトでゴール左下に沈め一矢報いたが、時すでに遅し。試合は1-3で終了し、横浜FMがアウェイで価値ある勝点3を手にした。横浜FMは降格圏脱出に向けた大きな一勝を手にし、一方の清水はホームでの痛い敗戦となった。
これからに向けて
清水は敗れはしたものの、試合を通してポゼッションで上回り、特に後半は乾貴士選手や北川航也選手、山原怜音選手といった攻撃陣が躍動し、横浜FMゴールを脅かすシーンを数多く生み出した。シュート数でも相手を上回り、ゴール期待値も1.38と内容的には決して劣勢ではなかったことは今後に向けての明るい材料だ。特に北川選手は復帰後にゴールを決め、ストライカーとしての存在感を発揮。山原選手も攻撃参加で再三チャンスを演出し、左サイドの推進力は大きな武器となった。敗戦の中でも攻撃の形は明確に見えつつあり、次節以降は決定力を高めることで勝点を積み重ねられるはずだ。ホームでの課題を克服し、引き続き攻撃的な姿勢を貫くことが、残りシーズンの浮上につながるだろう。
横浜FMにとっては、この試合はまさに「新戦力の躍動」を象徴するものとなった。復帰した角田涼太朗選手が先制点を決め、加入後初先発のディーン・デイビッド選手が追加点をマーク。さらに谷村海那選手も途中出場でリーグ初ゴールを挙げるなど、チームに新たな得点源が加わったことは大きな収穫だ。守備面では朴一圭選手が好セーブを連発し、最後まで試合を安定して締めた点も評価できる。全体的に選手層の厚みが増し、ターンオーバーを行いながらも勝点3を得られたのは、残留争いに挑む上で心強い。特に若手と新加入選手が結果を残したことはチーム全体のモチベーションを高める効果があり、次節以降の巻き返しに弾みをつける内容となった。
SNSの反応
清水エスパルスサポーター
「内容は悪くなかったけど、決めきれなかったのが全て」
「北川選手のゴールは希望。次につながる」
「山原選手のクロス精度は本当に武器になる」
「守備の隙を突かれすぎた。修正してほしい」
「ホームでの敗戦は悔しいが、まだ巻き返せる」
横浜F・マリノスサポーター
「角田選手の復帰弾に感動!おかえりなさい」
「ディーン・デイビッド選手がすぐに結果を出すとは頼もしすぎる」
「谷村選手のゴール、未来を感じた」
「GK朴選手のセーブがなかったら危なかった」
「降格圏脱出へ、この勝利は本当に大きい!」