試合分析・戦評
J1第26節、ノエビアスタジアム神戸で行われたヴィッセル神戸対横浜FCの一戦は、神戸が主導権を握りながらも決め手を欠き、終盤に痛恨の一撃を浴びて0-1で敗れる結果となった。スタッツが示すように、神戸はシュート14本を放ち、ポゼッション率も60%を超える時間帯が続いたが、最後まで横浜FCの守備を崩せなかった。
試合は開始早々、神戸に不運が訪れる。攻撃の中心である佐々木大樹選手が負傷交代を余儀なくされ、序盤からプランの変更を迫られた。それでも酒井高徳選手やエリキ選手が果敢に仕掛け、宮代大聖選手がゴール前で存在感を示したが、横浜FCの守備陣、特に山崎浩介選手やンドカ・ボニフェイス選手の集中した対応に阻まれた。前半はスコアレスで折り返すが、内容的には神戸が攻勢を続けていた。
後半に入ると、吉田孝行監督は大迫勇也選手、武藤嘉紀選手らを投入し、さらに攻撃の厚みを増す。大迫選手はボールを収め、周囲を活かすプレーを見せ、武藤選手もサイドからの突破で好機を演出した。しかし、シュートはことごとくブロックやGKスウォビィク選手のセーブに遭い、得点を奪うことができない。
試合の流れを大きく変えたのは後半アディショナルタイムだった。横浜FCは櫻川ソロモン選手が左サイドでドリブルから突破し、鋭いクロスを供給。これを伊藤翔選手が冷静に押し込み、待望の先制点を奪取。横浜FCにとっては実に8試合ぶりの勝利を決定づけるゴールとなった。
結果として、神戸は内容で上回りながらも「決め切る力」に課題を残し、痛い連敗で首位返り咲きのチャンスを逃した。一方の横浜FCは、苦しい状況の中で守備陣が最後まで集中を切らさず、わずかなチャンスをものにして連敗をストップ。順位争いに向け、大きな一勝を挙げることに成功した。
これからに向けて
ヴィッセル神戸にとっては悔しい敗戦となったが、内容自体は決して悲観すべきものではない。前半から試合をコントロールし、攻撃のパターンも多彩で、酒井高徳選手や永戸勝也選手が高い位置で積極的に関与することで厚みを持たせた。また、大迫勇也選手や武藤嘉紀選手といったベテラン勢が途中出場から流れを引き寄せるなど、戦力の幅も示された。最後の局面での決定力不足は課題だが、内容を継続すれば必ず勝利に結び付く試合が増えていくはずだ。連敗は苦しいが、攻守の連動性やセカンドボールへの反応などは依然としてリーグ上位水準にある。次節に向けては切り替えを早くし、攻撃陣がよりシンプルにゴールを狙う姿勢を貫けば、再び勝利を積み重ねられるだろう。
横浜FCにとっては大きな意味を持つ勝利となった。7連敗という苦境の中でもチームが崩壊せず、全員がハードワークを徹底したことが、この勝点3に結実した。特に守備陣は集中力を保ち、山崎浩介選手や岩武克弥選手が体を張って相手の決定機を阻止。GKスウォビィク選手も安定感を発揮した。そして攻撃陣は最後まで諦めず、櫻川ソロモン選手や伊藤翔選手といった交代選手が結果を出した点は、チーム全体の底力を示したものだ。この勝利をきっかけに、残留争いに向けて流れを変えていける。攻撃面での連携をさらに高めつつ、守備の集中力を維持できれば、順位を押し上げる可能性は十分にある。選手たちの粘り強さが、ここからの戦いに希望をもたらしている。
SNSの反応
ヴィッセル神戸サポーター
「内容は押していただけに、最後の一発が悔しすぎる」
「佐々木選手の負傷が痛かった…早く戻ってきてほしい」
「攻めていたのに勝てない、これがサッカーの怖さ」
「大迫選手と武藤選手はさすがの存在感」
「切り替えて次節こそ勝とう!」
横浜FCサポーター
「ついに連敗ストップ!涙が出るほど嬉しい」
「伊藤翔選手、ここぞの決定力さすが!」
「最後まで諦めなかったチームに拍手」
「スウォビィク選手のセーブが大きかった」
「この勝利で残留争いもまだ諦めない!」