試合分析・戦評

2025年J1第22節、味の素スタジアムで対戦したFC東京と横浜FCの一戦は、2-1でFC東京が劇的な逆転勝利を収めた。序盤は横浜FCが試合を優位に進め、前半4分には山田康太選手のクロスに櫻川ソロモン選手が力強く頭で合わせ、先制点を奪取。この得点で横浜FCは自信を深め、序盤からコンパクトな守備ブロックでFC東京の攻撃を抑え込んだ。

一方のFC東京は、直近の過密日程を考慮して先発メンバーを大幅に変更し、連係の不安を抱えつつのスタートとなった。マルセロヒアン選手や遠藤渓太選手を中心に左右両サイドから崩しにかかるが、横浜FCの粘り強い守備とGK市川暉記選手の好セーブに阻まれ、前半は枠内シュートゼロに終わる。

後半に入り、FC東京はポゼッション率を高めながら徐々に主導権を握る。59分には佐藤恵允選手、仲川輝人選手、長倉幹樹選手の3選手を同時投入し、攻撃のテンポを加速させたことで流れが一変。85分、橋本拳人選手の右からのクロスに長倉幹樹選手がヘディングで合わせ、ついに同点に追いつく。さらに、90+10分には長倉選手が得たPKを森重真人選手が冷静に決めて逆転。試合終盤まで諦めない姿勢が実を結んだ。

FC東京は計22本のシュートを放ち、xG（ゴール期待値）も3.41と高水準。守備でも横浜FCのシュートを7本に抑え、試合全体を通して後半は圧倒する内容だった。敗れた横浜FCも前半はしっかりと戦術を遂行し、リードを守る意識を徹底したが、交代カードやプレッシャーへの対応でやや後手に回ったことが響いた。

これからに向けて

FC東京にとって、この勝利は非常に大きな意味を持つものとなった。直近の過密日程を踏まえ、スタメンを大きく入れ替える中で、試合終盤まで粘り強く戦い抜いた点は高く評価できる。途中出場の長倉幹樹選手は、2試合連続ゴールと絶好調。さらに、攻撃のスイッチを入れた佐藤恵允選手や仲川輝人選手の存在も、交代策が見事に的中した好例といえる。セットプレーの精度向上や、PK時のメンタル面は今後の課題となるが、内容面でも数値面でも、チームの底力と成長が見えた90分だった。連勝を機に、上位進出への足がかりとしたい。

横浜FCは、アウェイの地で試合序盤から積極的な姿勢を見せ、櫻川ソロモン選手のフィジカルを活かした攻撃で流れを掴んだ。守備面では、コンパクトな陣形を維持しつつ、市川暉記選手の好セーブもあり、前半を無失点で凌ぐなど、試合の入り方は理想的だった。惜しくも逆転を許してしまったが、若手選手たちの台頭や交代策による新たなオプションも見られ、今後につながる収穫も多かった。終盤の守備対応やゲームコントロールを改善すれば、残留争いを抜け出す可能性も十分にある。

SNSの反応

FC東京サポーター
「長倉選手、救世主すぎる！まじで2試合連続ゴールは神！」
「森重選手のPK、鳥肌たった…あの場面で決めるのはさすがキャプテン」
「ショルツ選手、デビュー戦で落ち着いてて好印象。今後が楽しみ」
「交代のタイミング完璧だった！監督采配見事すぎる」
「野澤大志ブランドン選手、最後の試合お疲れ様！ありがとう！」

横浜FCサポーター
「市川選手のPKストップは最高！負けたけど彼はMVP」
「櫻川選手のゴール、強さを見せたな。次も頼むぞ！」
「前半はいい形だっただけに、後半がもったいなかった…」
「山田選手のクロス精度が上がってきてる、今後に期待」
「途中交代組にももっと頑張ってほしい。惜しい試合だった」