試合分析・戦評
IAIスタジアム日本平で行われたJ1第10節、清水エスパルスと川崎フロンターレの一戦は、共に4-2-3-1の布陣でスタートしました。清水は連敗脱出と勝利を求め、川崎Fは無敗継続と順位浮上を狙って臨みました。
序盤から清水は右サイドの北爪選手を起点に攻撃を組み立て、ペナルティエリア内へ幾度となく侵入しますが、川崎Fの高井選手を中心とした守備に阻まれ得点には至らず。一方の川崎Fも、エリソン選手や脇坂選手がゴール前に迫るものの、シュート精度を欠きゴールを奪えません。前半は0-0で終了しました。
後半は一転してアグレッシブな展開となります。清水は乾選手の仕掛けや宇野選手のミドルシュートで相手ゴールを脅かし、ついに17分、北川選手が自ら得たPKを冷静に沈めて先制点を奪取。今季先制時の勝率が高い清水にとって、リードを得た展開は理想的でした。
しかし川崎Fもすぐに反撃。23分、左サイドから三浦選手の鋭いクロスに山本選手が反応し、同点弾を叩き込みます。その後も川崎Fは山田選手や脇坂選手を中心に再三チャンスを作り、ゴール期待値2.65が示すように、逆転ゴールの可能性は十分にありました。
清水も終盤に交代策を用い、カピシャーバ選手や弓場選手を投入し勝ち越しを目指しましたが、後半39分の北爪選手の退場で数的不利に。川崎Fが数的優位を活かして攻め立てるも、GK沖選手の好守や体を張ったブロックで耐えきった清水が勝点1を死守。試合は1-1のドローで終了しました。
今後
清水エスパルスは連敗中のチームにとって、強敵川崎Fを相手に勝点1を得たことは前進といえる内容でした。北川選手のPKによる得点はもちろん、乾選手や宇野選手の果敢な攻撃参加も目立ちました。守備ではGK沖選手のビッグセーブが光り、粘り強く戦い抜いた点は大きな収穫です。終盤の退場者を出した中でも集中力を切らさなかった姿勢は、今後の戦いに向けてチームの結束力を示すものでした。次節以降、先制からの試合運びと数的同数の状況での決定力を磨いていけば、上位進出の可能性も十分です。
川崎フロンターレは大幅なスタメン変更にも関わらず、試合を通して攻撃的なスタイルを維持し、18本ものシュートを放つなど、攻撃力の高さはさすがの一言です。特に山本選手や脇坂選手、途中出場の山田選手の動きは流動的で、相手の守備を何度も翻弄しました。守備面でも危険な場面を最小限に抑え、チームとしてのバランスを感じさせる内容でした。勝利こそ逃したものの、試合を通して主導権を握る時間帯が長く、選手層の厚さと戦術理解度の高さが感じられる好ゲームでした。
SNSの反応
清水エスパルスサポーター
「北川選手のPK、さすがの冷静さだった!」
「沖選手のセーブがなかったら負けてたかも…本当にありがとう!」
「退場は痛かったけど、よく粘ったと思う」
「乾選手のキレが戻ってきてて嬉しい」
「もうちょっとで勝てた…でも内容は悪くなかった!」
川崎フロンターレサポーター
「山本選手のゴール最高!もっと使ってほしい」
「脇坂選手のチャンスメイクが冴えてた」
「勝てた試合だっただけに、ちょっと悔しい」
「シュートは多かったけど、精度がもう一歩」
「ターンオーバーしてもこのレベルはすごい。さすがフロンターレ!」