試合前展望
2025年J1リーグ開幕戦、横浜F・マリノスとアルビレックス新潟の一戦が日産スタジアムで行われた。
昨シーズン上位争いを繰り広げた横浜FMは、新シーズンのスタートを白星で飾るべく、攻撃的な3-4-2-1の布陣で臨んだ。
一方の新潟は、昨シーズンの安定した戦い方を継続し、堅実な4-4-2で試合に挑んだ。
過去の対戦成績では横浜FMが18勝11分11敗と優位だが、新潟の組織的な守備とカウンター攻撃がどこまで通用するかが注目された。
前半
試合は序盤から新潟が積極的にボールを動かし、試合のペースを握った。
前半15分の時点でポゼッションは新潟が61%と上回り、横浜FMは後方でのビルドアップに苦しむ時間が続いた。
前半13分、新潟は橋本選手のパスから谷口選手がペナルティエリア内でボールを収め、長谷川選手がシュートを放つも、
横浜FMのJ・キニョーネス選手が見事なブロック。その後、稲村選手がこぼれ球を狙ったが、惜しくも枠を外れた。
横浜FMは前線の選手がなかなかボールを受けられず、攻撃の形を作ることができなかった。
前半20分時点で横浜FMのシュート数は0本、新潟が3本と、新潟が積極的にゴールを狙っていることがデータにも表れていた。
そして試合が動いたのは前半26分。新潟の太田選手がペナルティエリア中央でボールを受けると、
左足で冷静にゴール右下へ決め、新潟が先制。このゴールで新潟は勢いに乗り、さらに攻勢を強めた。
前半終盤、横浜FMも攻撃のリズムを作ろうとしたが、新潟の組織的な守備を崩すには至らず。
特に新潟の藤原選手と舞行龍ジェームズ選手のセンターバックコンビが安定感のある対応を見せ、
横浜FMに決定機を作らせなかった。
前半終了時点のシュート数は、新潟が6本(枠内1本)、横浜FMが0本。
ゴール期待値(xG)でも新潟が0.79、横浜FMが0.00と、新潟が優位に試合を進めたことが数値にも現れていた。
後半
後半に入ると、横浜FMが反撃を開始。特にヤン・マテウス選手が積極的にボールを動かし、攻撃の起点となった。
しかし、新潟も簡単には引かず、後半4分には奥村選手のパスから藤原選手がシュートを放つが、
横浜FMのGK朴選手が好セーブを見せた。
後半10分までに新潟は5本のシュートを放つなど、引き続き攻撃的な姿勢を維持。
横浜FMも後半16分に松原選手がシュートを試みたが、枠を捉えられなかった。
後半20分時点でのシュート数は新潟12本、横浜FM1本と、新潟が依然として攻勢をかけていた。
横浜FMは選手交代で流れを変えようとし、後半25分には永戸選手、井上選手、植中選手を下げ、
鈴木選手、宮市選手、天野選手を投入。すると、この交代が功を奏し、後半30分、
遠野選手が宮本選手からのファウルを受け、PKを獲得。
キッカーのA・ロペス選手が冷静に決め、横浜FMが1-1の同点に追いついた。
その後、新潟は矢村選手や若月選手を投入し、勝ち越しを狙ったが、
横浜FMの守備陣が粘り強く対応。試合終盤には横浜FMがセットプレーやクロスを活用して攻勢をかける場面もあったが、
決定的なシュートは生まれず、そのまま試合終了。開幕戦は1-1の引き分けとなった。
総括
この試合は、新潟のアグレッシブなプレーと、横浜FMの終盤の巻き返しが際立った一戦となった。
前半は新潟がポゼッションを高め、チャンスを作り出す展開だったが、
横浜FMは終盤にかけて盛り返し、PKで貴重な勝ち点1を獲得した。
新潟にとっては、試合の大半を支配しながらも勝ちきれなかった点が課題として残る。
しかし、組織的な守備と素早い攻撃は今後の試合に向けて大きな武器となるだろう。
一方の横浜FMは、攻撃が停滞した前半の内容を改善する必要があるが、
選手交代による変化や粘り強い守備は評価できる。
今後
横浜F・マリノスは、試合終盤の攻撃の厚みが増し、最後まで勝利を狙う姿勢が見られたことは大きな収穫。
特にA・ロペス選手の得点感覚や、天野選手のパスワークは今後の試合でも重要なポイントとなるはず。
次戦では前半からより積極的なプレーを期待したい。
アルビレックス新潟は、新潟は試合の大部分で主導権を握り、シュート数でも相手を上回った点が好材料。
太田選手のゴールを含め、攻撃の流れはスムーズだった。
次戦では試合を決めきる力を発揮し、勝利をつかみ取ってほしい。