試合分析・戦評
赤が揺れ、紺がうねる。
メルカリスタジアムに集った31,091人の視線の先で、最後に牙をむいたのは鹿島だった。
立ち上がり、ボールを握ったのは鹿島。ポゼッションは前半60%。4-4-2の距離感は良く、樋口雄太選手を中心にテンポ良く前進する。しかし、横浜FMの4-2-1-3は中盤をコンパクトに閉じ、渡辺皓太選手、山根陸選手らが素早い寄せでリズムを分断。
数字上は横浜FMが優勢。前半シュート5本、xG0.39。鹿島は2本、xG0.12。だがスコアは動かない。早川友基選手の冷静な対応と、植田直通選手らの集中したブロックが、潮目を変えさせなかった。
後半に入り、試合は少しずつ縦へ加速する。鹿島は鈴木優磨選手が起点となり、荒木遼太郎選手が二列目から侵入。横浜FMも喜田拓也選手、天野純選手を投入し強度を再調整。終盤までxGは横浜FMが上回る展開だった。
だが69分、鹿島が勝負手を打つ。柴崎岳選手とチャヴリッチ選手を投入。
そして迎えた先制点。柴崎岳選手の縦パスが空間を裂き、鈴木優磨選手がつなぎ、小川諒也選手がクロス。
最後はレオ・セアラ選手。滞空時間の長い、打点の高いヘディング。スタジアムが赤に染まった瞬間だった。
終盤、横浜FMはディーン・デイビッド選手、宮市亮選手らを投入して猛攻。しかし、早川友基選手のビッグセーブが光る。
最終スタッツは横浜FM10本、鹿島6本。xGは0.78対0.38。
それでも勝ったのは鹿島。
これは“決定力”と“守備の集中”でつかんだ、王者の1-0である。
これからに向けて
■鹿島アントラーズ
この試合は、完成度というより“勝ち切る力”が光った一戦だった。
樋口雄太選手のボール循環、鈴木優磨選手の体を張ったポストワーク、柴崎岳選手の展開力。交代策が明確に流れを変えた点はポジティブだ。
特にレオ・セアラ選手は、限られたチャンスを仕留める嗅覚を見せた。守備では早川友基選手の安定感が際立つ。
内容面では崩し切る回数を増やしたいが、接戦を制する経験値はリーグを戦う上で何よりの武器。
この1勝は、単なる勝点3以上の意味を持つ。
“勝者の空気”を取り戻しつつある。
■横浜F・マリノス
敗れはしたが、内容は決して悪くない。
コンパクトな守備、鋭いカウンター、J・クルークス選手の質の高いキック。xG0.78は攻撃設計が機能していた証拠だ。
渡辺皓太選手、山根陸選手の中盤強度は健在。交代で入った天野純選手、喜田拓也選手も流れを整えた。
最後の精度が1%足りなかっただけ。
この完成度を継続できれば、勝利は自然と戻ってくる。
攻守のバランスはすでに高水準。
あとは“決め切る瞬間”をつかむだけだ。
SNSの反応
■ 鹿島サポーター
「レオ・セアラ選手、頼もしすぎる!」
「柴崎岳選手のパスで流れ変わった」
「早川友基選手のセーブが神」
「内容は課題あるけど勝てばOK」
「やっぱりホームは強い!」
■ 横浜FMサポーター
「内容は悪くないのに悔しい」
「決定力さえあれば勝てた」
「クルークス選手のキック精度は武器」
「GK木村凌也選手も良かった」
「次は必ず取り返そう」
