試合前展望
J1リーグ第2節、鹿島アントラーズ対東京ヴェルディの一戦は、県立カシマサッカースタジアムで行われた。鹿島は伝統の4-4-2を採用し、直近のリーグ戦から3人のスタメン変更。対する東京Vは3-4-2-1を採用し、4人を入れ替えて挑んだ。
鹿島はホームでの強さと個の力を活かし、試合を主導する展開が期待される。一方、東京Vは組織的な守備とカウンターからチャンスを狙い、昨季J2王者としてのプライドを示したい試合となった。
前半
試合は鹿島のキックオフで開始。開始直後から鹿島が攻勢を仕掛け、前半1分には松村選手がペナルティエリア手前からシュートを放つなど、積極的にゴールを狙った。一方の東京Vも6分にコーナーキックを獲得し、熊取谷選手がボールを蹴り込むが、鹿島の守備陣にクリアされる。
試合が動いたのは22分。鹿島の安西選手が左サイドからクロスを供給し、これに反応したレオセアラ選手がヘディングでゴールを決め、1-0と先制。東京Vは攻撃の形を作ろうとするも、鹿島の中盤の守備に阻まれ、なかなか決定機を作れない状況が続いた。
さらに25分、鹿島はレオセアラ選手がドリブルで相手守備を突破し、左足で見事なシュートを決め2-0とリードを広げる。東京Vも積極的な攻撃を仕掛け、24分には熊取谷選手がペナルティエリア内からシュートを放つが、関川選手のブロックに阻まれた。
そして41分、鹿島がPKを獲得。鈴木優磨選手がキッカーを務め、冷静にゴール左下へ決めて3-0。東京Vにとっては苦しい前半となった。
前半のスタッツでは鹿島がシュート12本(枠内7本)、東京Vは4本(枠内1本)と、鹿島の圧倒的な攻撃力が際立った。
後半
後半は東京Vのキックオフで開始。流れを変えるべく、熊取谷選手に代えて食野選手を投入し、攻撃の活性化を図った。6分には翁長選手が右サイドからクロスを入れるも、鹿島の濃野選手にクリアされる。東京Vはポゼッションを高め、サイド攻撃を中心にチャンスをうかがう。
しかし30分、鹿島が試合を決定づける4点目を奪う。小池選手のスルーパスに抜け出した鈴木優磨選手が、右足でゴール右上に決めた。鹿島の堅守と鋭い攻撃が光り、東京Vは最後まで1点を奪うことができなかった。
試合終盤には鹿島が選手を入れ替え、舩橋選手や佐藤選手を投入し、試合を締めくくる。東京Vも最後まで攻撃を仕掛けるが、鹿島の守備を崩せず、試合終了。最終スコアは4-0で鹿島が勝利を収めた。
スタッツでは、鹿島のシュート15本(枠内9本)に対し、東京Vは5本(枠内2本)と、最後まで鹿島の攻撃力が際立つ試合となった。
総括
この試合は、鹿島が持ち前の堅守速攻を発揮し、4-0の完勝を収めた。前半から積極的に攻め込み、レオセアラ選手の2得点、鈴木優磨選手のPKによるゴールで試合の流れを掌握。東京Vはポゼッションでは互角に渡り合ったが、決定機の数と質の差が勝敗を分けた。
鹿島の守備も素晴らしく、関川選手と植田選手のセンターバックコンビが東京Vの攻撃を抑え、GK早川選手も安定したセービングを見せた。また、柴崎選手のパスワークが攻撃のリズムを作り出し、サイドの安西選手や小池選手が効果的な攻撃参加を行った。
一方の東京Vは、序盤こそカウンターを試みる場面があったものの、鹿島のプレスに苦しみ決定機を作れず。後半は食野選手の投入でサイド攻撃の活性化を図ったが、フィニッシュの精度が課題となった。
この試合で鹿島は、今季のJ1制覇に向けて好スタートを切った。一方の東京Vにとっては厳しい試合となったが、経験を積みながら戦術の精度を高めることが求められる。
今後
鹿島アントラーズは、攻守において非常にバランスの取れた戦いを見せた。特にレオセアラ選手と鈴木優磨選手の前線コンビが機能し、柴崎選手を中心とした中盤の組み立ても見事だった。今後もこの安定した戦い方を継続できれば、優勝争いに加わる可能性は高いだろう。
東京ヴェルディは、この試合ではゴールを奪えなかったものの、ポゼッションでは鹿島に引けを取らず、後半は積極的に仕掛ける姿勢を見せた。特に翁長選手のサイド突破や、途中出場の食野選手の動きは今後の試合でも鍵となるだろう。初めてのJ1の舞台での戦いが続くが、試合ごとに課題を修正しながら、チームとしての完成度を高めていくことが重要になる。
両チームとも、この試合を糧にさらなる成長を遂げていくことを期待したい。