試合分析・戦評
11月9日、エディオンピースウイング広島で行われた第36節「広島 vs 浦和」は、26,383人のサポーターが詰めかける中、広島が3-0で快勝した。序盤は浦和が高い位置からプレッシングをかけ、ポゼッションでも優位に立つ時間帯が続いたが、時間の経過とともに広島が中盤の主導権を奪取。田中聡選手、川辺駿選手を中心としたセカンドボール回収が機能し、攻撃のテンポが一気に上がった。
前半43分、浦和のグスタフソン選手のパスミスを見逃さず、木下康介選手が素早くつなぎ、田中聡選手のクロスを木下選手自身が左足で流し込んで先制。この一撃で流れを完全に掌握した。後半も広島の勢いは衰えず、サイドを起点とした波状攻撃で相手を圧倒。加藤陸次樹選手、前田直輝選手の追加点で3-0と突き放した。
守備面でも荒木選手、塩谷司選手を中心にラインコントロールが安定し、浦和の渡邊凌磨選手やマテウス・サヴィオ選手に自由を与えなかった。浦和は終盤まで枠内シュート0本に封じ込められ、スコルジャ監督の攻撃プランは最後まで機能せず。ゴール期待値でも広島3.64に対し浦和0.39と、内容でも完勝といえる一戦だった。
広島はルヴァンカップ優勝後の勢いをそのままリーグに持ち込み、攻守の連動性・ポジショナルバランスともに極めて高い完成度を示した。一方の浦和は、ビルドアップでの判断ミスやサイドの守備対応に課題を残し、上位争いに向けての立て直しが急務となった。
これからに向けて
💜 広島はルヴァンカップ制覇後も集中力を切らすことなく、浦和という強敵を圧倒する完璧なゲーム運びを見せた。特に田中聡選手と川辺駿選手のダブルボランチは、攻守両面でチームを支え、試合全体のリズムをコントロール。木下康介選手の先制点に象徴されるように、「奪って速攻」という広島らしいスタイルが見事に機能した。
また、後半投入の加藤陸次樹選手・前田直輝選手が流れを加速させた点も大きい。ベンチから流れを変えられる選手層の厚さは、今後のリーグ終盤戦で重要な武器になるだろう。3点を奪いながらも最後まで集中した守備を貫いた点にも、チームとしての成熟を感じさせた。残り2試合に向けても、攻撃の多彩さと守備の堅実さを維持すれば、ACL圏内フィニッシュも現実的な目標と言える。
🔴 浦和にとっては厳しいスコアとなったが、序盤のプレス強度や前線の運動量には光るものがあった。特に渡邊凌磨選手や関根貴大選手の縦の推進力は、相手の最終ラインを押し下げる効果を生み、攻撃の起点としての意識が見えた。また、GK西川周作選手のビッグセーブもチームを支え、失点を最小限に抑える姿勢が伝わってきた。
攻撃面では、途中投入された松本泰志選手や中島翔哉選手がボールを受けてからの展開に変化を与え、試合終盤には形を作る場面も。結果こそ出なかったが、戦術的修正が浸透すれば、十分に巻き返せるポテンシャルを秘めている。守備の立て直しと前線の連携向上を図り、ホーム最終戦ではサポーターの前で浦和らしいアグレッシブなサッカーを取り戻したい。
SNSの反応
💬 広島サポーター
「今日の広島、圧巻の内容!田中聡選手の躍動がすごかった!」
「木下選手→加藤選手→前田選手の得点リレー、美しすぎる」
「ルヴァン優勝からの3-0完勝、最高の流れ!」
「東選手のクロス精度、今季ベストレベル」
「Eピースの雰囲気も最高、サポも一体感あった!」
💬 浦和サポーター
「完全に広島にやられた…。でも西川選手は神だった」
「前半のプレスは良かったけど、攻撃の形が見えなかった」
「小森選手にもっと時間を与えてほしい」
「サヴィオ選手は孤立気味、サポートが必要」
「厳しいけど、最後まで信じて応援する!」
