試合分析・戦評
明治安田J1リーグ第34節、町田GIONスタジアムで行われた町田ゼルビア対アビスパ福岡の一戦は、0-0のスコアレスドローに終わった。
試合序盤、ホームの町田はボールを握りながらも決定的な場面を作れず、相手の堅い守備に手を焼く展開となった。西村拓真選手が前半14分にシュートを放ったが、小畑裕馬選手の正面。さらに直後に西村選手が負傷交代を強いられ、代わって投入された相馬勇紀選手が左サイドでアクセントを付けるも、前半は互角のまま折り返した。
一方の福岡は、ウェリントン選手を軸にロングボールとサイド攻撃を織り交ぜながらチャンスを探った。松岡選手や佐藤選手を中心にテンポある展開を見せるも、町田の昌子源選手、中山選手らの集中した守備に阻まれ、ゴールをこじ開けることはできなかった。
後半、町田は中村帆高選手に代えて望月ヘンリー海輝選手を投入。望月選手の縦への推進力がチームに勢いを与える。特に相馬選手との左サイド連携からチャンスを量産し、終盤には中山選手やオセフン選手、藤尾翔太選手らが立て続けにシュートを放つも、いずれも福岡守備陣にブロックされる。
福岡は金明輝監督の指揮の下、守備ブロックのコンパクトさが際立った。終盤には紺野和也選手や藤本一輝選手を投入し、カウンターから勝点3を狙ったが、最後まで町田ゴールを割るには至らず。結果的に両チーム合わせて枠内シュートはわずか1本と、堅守が際立つ試合内容となった。
町田にとっては上位進出へ弾みを付けるチャンスを逃す痛い引き分け。一方の福岡は、アウェイで貴重な勝点1を獲得し、残留争いにおいて大きな意味を持つ結果となった。
これからに向けて
🔵 町田はこの試合で目立ったのは、チーム全体の守備バランスの良さと試合終盤まで落ちない運動量だった。昌子源選手や中山選手を中心に守備の安定感は抜群で、相手のロングボールにも的確に対応していた。
また、途中出場の相馬勇紀選手が見せたドリブル突破とクロスの精度は、攻撃の軸として機能しており、次節以降への明るい材料だ。望月ヘンリー海輝選手も後半からの投入でテンポを変え、左サイドに厚みをもたらした。
得点にはつながらなかったものの、ゴール前での意識や崩しの形は明確に見えつつあり、あとはフィニッシュの精度を高めるだけ。上位進出への可能性を十分に感じさせる戦いぶりだった。ホームでの無失点はチームの成熟を示す証でもある。
⚫ アビスパ福岡にとっては、金明輝監督の戦術が徐々に浸透していることを示す試合だった。全体のラインがコンパクトに保たれ、相手にボールを持たせながらも危険なエリアへの侵入を許さない守備は見事。特に安藤智哉選手と奈良竜樹選手の連携は堅く、ゴール前のブロック守備でチームを救った。
攻撃では、名古新太郎選手や見木友哉選手の推進力が目を引き、後半途中出場の紺野和也選手が持ち込んだスピードと切り返しは、相手に脅威を与えていた。
アウェイでの貴重な勝点1は、チームの粘り強さと戦う姿勢の成果。残留を現実的にする大きな一歩であり、守備的安定をベースに、次節は一瞬のチャンスをものにできる決定力の向上が鍵となるだろう。
SNSの反応
🏠 町田ゼルビアサポーター
「相馬選手が入ってから一気にリズムが出た。次こそ決めてほしい!」
「昌子選手の存在感が半端ない。守備はJ1でも屈指。」
「内容は悪くなかった。あとはフィニッシュ精度だけ。」
「ホームで無失点はポジティブ。勝点1でも意味はある。」
「西村選手の怪我が心配…。早く戻ってきてほしい。」
🐝 アビスパ福岡サポーター
「小畑選手、今日も神セーブ連発!頼もしい。」
「安藤選手と奈良選手の守備が安定感抜群。」
「紺野選手のドリブルは流れを変えた。次はゴールを!」
「勝ちたかったけど、アウェイで勝点1は大きい。」
「金監督の采配、チームに浸透してきた感じがする。」
