試合分析・戦評
J1第32節、豊田スタジアムで行われた名古屋グランパス対鹿島アントラーズの一戦は、0-4でアウェイの鹿島が快勝を収めた。順位で首位と下位に位置する両者の差が如実に表れる結果となった。
立ち上がりは名古屋が積極的に仕掛け、山岸選手や中山選手らが早々にシュートチャンスを迎える。しかしGK早川選手の好セーブに阻まれ、先制点を逃すと試合の流れが大きく傾く。10分、鹿島は舩橋選手の縦パスに反応したエウベル選手が巧みに抜け出し、冷静に決めて先制。さらに19分には鈴木優磨選手のパスからチャヴリッチ選手を経由し、レオ セアラ選手がゴール。鹿島は少ないチャンスを確実にものにする決定力を示した。
前半を0-2で折り返した名古屋は、後半に入っても主導権を握り続け、森島選手や和泉選手を起点に厚みのある攻撃を仕掛ける。だがクロスやラストパスの精度がやや低く、植田選手や三竿選手ら鹿島守備陣にことごとく跳ね返される。交代で浅野選手や木村選手、ユンカー選手を投入し攻勢を強めたが、ゴールネットを揺らすには至らなかった。
一方の鹿島はレオ セアラ選手や鈴木優磨選手が途中交代となるアクシデントに見舞われながらも、途中出場の松村選手や徳田選手が躍動。88分に松村選手のクロスから徳田選手が決めて試合を決定づけると、直後には徳田選手が豪快な一撃を突き刺し、最終的に4点差で圧倒した。
統計的には名古屋がシュート数15本と鹿島を上回り、ゴール期待値でも1.19と優勢だったが、実際に得点を奪ったのは鹿島。決定力と試合運びの巧さにおいて両者の差が浮き彫りとなった試合だった。
これからに向けて
名古屋は多くの時間でボールを持ち、主導権を握る展開を作れたことは収穫だ。山岸選手や稲垣選手を中心とした中盤での連動性は高く、相手を押し込む場面も少なくなかった。決定機の数自体は作れているだけに、最後のシュート精度やクロスの質を磨けば結果に直結する可能性は十分にある。若手の中山選手や木村選手らが積極的に仕掛けられた点も前向きで、今後の成長に期待がかかる。残留争いに踏みとどまるには守備面の修正と並行して攻撃陣の決定力向上が不可欠だが、内容面では光明もあり、次節以降の巻き返しに繋げたい。
鹿島にとっては主力の負傷交代という逆風をものともせず、大勝を飾ったことが大きな意味を持つ。特に途中出場の松村選手や徳田選手が結果を残したことで、層の厚さとチーム全体の結束力が示された。鬼木監督の戦術浸透度は高く、リードを奪った後の試合運びの落ち着きはさすがの一言だ。エウベル選手やレオ セアラ選手ら外国籍選手が攻撃の軸を担い、日本人選手が周囲を支えるバランスも良い。首位を守る中で、総力戦で臨める体制は優勝争いを有利に進める武器になる。次節以降もこの勢いを継続できれば、リーグ制覇が現実味を帯びてくるだろう。
SNSの反応
名古屋グランパスサポーター
「チャンスはあったのに決めきれないのが本当に悔しい」
「山岸選手の仕掛けは光っていた。決めるだけだった」
「監督の采配は悪くない、決定力不足がすべて」
「残留争いはまだ諦めない。次こそ勝ち点3を」
「雰囲気は悪くない、チームは戦えている」
鹿島アントラーズサポーター
「エウベル選手の先制弾で試合が楽になった!」
「徳田選手がヒーロー!若手が結果を出したのは最高」
「主力が負傷交代でも崩れないのが今の鹿島」
「鬼木監督の采配が完璧。チーム全員で勝った」
「首位キープ!優勝へ一歩前進だ!」
