試合前展望
2025年3月8日、J1第5節・横浜FC vs 町田の試合がニッパツ三ツ沢球技場で行われた。両チームともに3-4-2-1のフォーメーションを採用し、中盤の争いが鍵となると予想された。
横浜FCはスタメンを2人変更し、市川選手と小倉選手が新たに先発。一方の町田は前節からの変更なし。
過去の対戦成績では町田が4勝5分3敗とわずかに優勢だが、横浜FCもホームの利を生かした戦いを期待された。両チームともに守備が堅く、ロースコアの展開が予想された。
前半
試合は町田ボールでキックオフ。開始早々の前半1分、町田の前選手がペナルティエリア左からシュートを放つも、横浜FCの山崎選手がブロックし、先制点は生まれなかった。その後、町田は積極的にボールを前へ運び、9分には西村選手のパスが林選手へとつながり、攻撃を展開。しかし、新保選手の好守で得点には至らなかった。
試合が進むにつれ、町田がややボールを支配し、ポゼッションは前半15分時点で町田54%、横浜FC46%となっていた。町田は西村選手の積極的なミドルシュート(15分)や、相馬選手の折り返し(33分)でチャンスを作るが、横浜FCの市川選手やンドカ選手の対応に阻まれた。
一方、横浜FCは前半20分に福森選手が左サイドからクロスを供給するも、ジョアンパウロ選手はシュートに持ち込めず。その後、小倉選手(21分)、新井選手(41分)が積極的にシュートを放つも、枠を捉えることはできなかった。
前半終了間際の45分には、町田の中山選手がヘディングシュートを試みたが、横浜FCのGK市川選手がセーブ。結局、両チームともに決定的なチャンスを決めきれず、スコアレスで前半を折り返した。
この時点でのシュート数は、横浜FC2本、町田5本。枠内シュートは町田が1本記録したが、横浜FCは0本。ゴール期待値(xG)は町田0.58、横浜FC0.06と、町田の攻撃がやや優勢だった。
後半
後半開始と同時に、町田はオセフン選手を下げ、桑山選手を投入。これが試合の流れを変えるきっかけとなった。6分、相馬選手のスルーパスを受けた前選手がクロスを供給し、桑山選手が冷静にシュートを決めて町田が先制。これで試合のペースは一気に町田寄りとなった。
その後も町田は攻撃の手を緩めず、18分には西村選手がゴールに迫るも、枠を外してしまう。横浜FCも18分にユーリララ選手、山根選手を投入し、流れを変えようと試みる。29分には櫻川選手のクロスをジョアンパウロ選手が合わせるも、惜しくもゴール右に外れた。
しかし、町田は冷静に試合をコントロールし、40分にはナサンホ選手がペナルティエリア手前からの強烈なシュートをゴール右下に突き刺し、リードを2点に広げた。横浜FCはその後も攻め続けたが、町田の堅守を崩すことができず、0-2で試合終了となった。
試合の最終的なシュート数は、横浜FC5本、町田11本。枠内シュートは横浜FC1本、町田4本。ゴール期待値(xG)も町田1.06に対し、横浜FCは0.44と、大きな差がついた。
総括
この試合は、町田が戦術的に横浜FCを上回った試合だった。特に後半開始直後の選手交代と、それによって生まれた先制点が試合の流れを決定づけた。町田の守備は非常に安定しており、横浜FCの攻撃をほぼ封じ込めることに成功した。
横浜FCにとっては、攻撃面での課題が浮き彫りとなった。シュート数が少なく、枠内に飛んだシュートはわずか1本。前線の選手たちがチャンスを作る動きをもう少し増やす必要があるだろう。また、後半の失点後のリアクションもやや遅く、相手に試合を支配される時間が長かった。
一方で町田は、攻撃のバリエーションが豊富で、交代選手がしっかり機能した点が評価できる。桑山選手の投入が的中し、追加点を狙う姿勢もはっきりしていた。今後もこの勢いを維持できれば、上位進出も十分に狙えるだろう。
今後
横浜FCはこの試合では得点を奪えなかったが、守備面では一定の安定感を見せた。特に市川選手のセーブや、ンドカ選手の対人守備は光っていた。攻撃面ではサイドからのクロスの精度を高めることで、より得点のチャンスを増やせるはずだ。
町田は戦術の一貫性と、選手交代の的確さが際立った試合だった。桑山選手やナサンホ選手といった途中出場の選手がしっかり結果を残し、チーム全体で勝利を掴み取る姿勢が見えた。今後もこの安定した試合運びが続けば、リーグ上位を狙うことも可能だろう。