試合前展望
J1リーグ第5節、新潟と東京ヴェルディの対戦は、デンカビッグスワンスタジアムで開催された。
過去の対戦成績では東京Vが7勝8分3敗と優位に立っているが、新潟もホームでの強さを見せる可能性がある。
新潟は4-4-2を採用し、秋山選手がスタメン入り。一方、東京Vは3-4-2-1の布陣で、木村選手、染野選手、林選手が先発に抜擢された。
東京Vはボールを保持しながらゲームをコントロールし、新潟は組織的な守備から素早い攻撃を狙う展開になると予想された。
前半
試合は東京Vのキックオフで始まり、早速アグレッシブな攻撃を仕掛けた。前半1分、齋藤選手のパスを受けた木村選手がペナルティエリア内でボールを収める。染野選手からのパスを森田選手がシュートするも、新潟の藤田選手がセーブ。新潟もすぐに反撃し、前半3分には藤原選手のパスから谷口選手がシュートを放つが、東京Vの綱島選手がブロック。さらに4分には秋山選手のパスから太田選手がゴールを狙うも、宮原選手がクリアした。
試合が落ち着きを見せるかと思われたが、前半10分に東京Vが先制。染野選手がペナルティエリア手前からスルーパスを供給し、木村選手が抜け出して冷静にゴール右上へ決めた。このゴールで勢いづいた東京Vは14分にも染野選手が木村選手へパスを通し、決定機を演出する。新潟はポゼッションで優位に立つも、東京Vの守備を崩しきれない状況が続いた。
しかし、新潟も徐々にチャンスを作り始める。前半31分には左サイドからCKを獲得し、長谷川選手がボールを蹴り込むが、染野選手がクリア。その後も新潟は藤原選手や堀米選手を中心に攻撃を仕掛け、38分には堀米選手のクロスに矢村選手がヘディングで合わせるも、マテウス選手が好セーブ。
そして42分、新潟がついに同点ゴールを決める。こぼれ球に反応した長谷川選手が、ペナルティエリア右から右足でゴール左下にシュートを決め、試合を振り出しに戻した。その後も攻防が続いたが、1-1のまま前半終了。ポゼッションは新潟58%、東京V42%と新潟がやや優勢だったが、シュート数は新潟5本、東京V6本と拮抗していた。
後半
新潟のボールで後半がスタート。開始早々、新潟が右サイドを起点に攻撃を展開し、太田選手がクロスを供給するも、東京Vの守備陣が対応。東京Vも後半9分に選手交代を行い、染野選手に代えて山見選手、新井選手に代えて松橋選手を投入。流れを変えようと試みた。
しかし後半13分、新潟が勝ち越しに成功。こぼれ球に反応した舞行龍ジェームズ選手が、ペナルティエリア中央から右足でゴールを決め、2-1とリードを奪う。勢いに乗る新潟はさらにボールを保持し、後半15分のポゼッションは新潟63%、東京V37%と完全に試合を支配する展開となった。
だが、東京Vもここで諦めず反撃に出る。後半30分、右サイドから齋藤選手がクロスを入れ、綱島選手がヘディングでゴール左下に決め、再び同点とする。これで試合は振り出しに戻り、互いに勝ち越しを狙って攻め合う展開に。
新潟は堀米選手や藤原選手が積極的に前線へパスを供給し、太田選手や矢村選手が決定機を狙う。しかし東京Vの守備陣も集中を切らさず、ゴール前でしっかり対応。一方の東京Vも、綱島選手がペナルティエリア手前からシュートを放つ場面を作るが、枠を捉えられず。
試合終了間際、新潟がFKを獲得し、ダニーロゴメス選手が直接狙うもゴールならず。そのまま試合は2-2で終了した。最終的なシュート数は新潟8本、東京V9本。ゴール期待値は新潟0.68、東京V0.67とほぼ互角だった。
総括
この試合は、互いに異なる戦術でぶつかり合った見応えのある一戦だった。新潟はポゼッションを活かし、細かいパスワークと連携で崩しにかかった。一方の東京Vは、速攻とサイド攻撃を武器に決定機を作った。東京Vが先制しながらも、新潟が試合をコントロールし、逆転する展開となったが、東京Vが粘り強く追いついた。結果としては2-2のドローとなったが、両チームともに持ち味を発揮した試合だった。
新潟はボール保持率で上回りながらも、決定力に課題を残した。一方の東京Vは、カウンターを中心とした攻撃が有効だったが、リードを守り切れなかった点が課題として残る。
今後
新潟は、攻撃面での流動性とパスワークの質の高さを再確認できた試合だった。特に中盤でのビルドアップとサイド攻撃は効果的だったため、今後も継続していきたい。決定力を向上させれば、より勝ち点を積み上げられるだろう。
東京Vにとっては、アウェイで2ゴールを奪えたことが大きな収穫だった。特にカウンター攻撃の鋭さと、終盤の粘り強さはチームの武器となる。守備面ではリードした状況での試合運びが課題だが、試合を通じて改善が見られた点は評価できる。