試合前展望
2025年3月2日、J1第4節、岡山vs清水の一戦がJFE晴れの国スタジアムで行われる。両チームともに3-4-2-1のフォーメーションを採用し、堅実な守備と素早い攻撃を特徴とする。
清水は過去の対戦成績で4勝2分と圧倒しており、相性の良さを活かしたい。一方の岡山はホームの利を生かし、堅守速攻で勝機を見出す構え。
特に中盤での攻防が鍵となり、清水の北川選手や乾選手がどこまで岡山の守備を崩せるか、岡山の江坂選手や一美選手がどこまで攻撃を組み立てられるかが注目される。
前半
試合は清水ボールでキックオフ。開始直後から清水がボールを支配し、岡山陣内でのプレーが目立つ展開となった。前半15分時点でのポゼッションは清水が76%、岡山が24%と一方的な状況だった。
清水は右サイドの中原選手や左サイドの山原選手を起点に積極的にクロスを供給するが、岡山の守備陣が冷静に対応し、なかなか決定機を作れない。前半11分には清水のマテウスブエノ選手がペナルティエリア手前から強烈なシュートを放つも、岡山の神谷選手がブロック。さらに12分には北川選手がシュートを放つが枠を捉えられなかった。
岡山も徐々にリズムを掴み始め、17分には江坂選手が右足でシュートを放つも、清水GK沖選手の好セーブに阻まれる。その後、18分には岡山が右CKを獲得し、神谷選手のキックに江坂選手が合わせるが、ゴールの上に外れる。
試合の流れが拮抗する中、岡山はサイドからの攻撃を増やし、29分には江坂選手のクロスから岩渕選手がシュートを試みるが、惜しくも枠を外れる。その後も両チームともにチャンスを作るが決定力を欠き、前半終了時点でのシュート数は岡山8本、清水6本。ゴール期待値(xG)は岡山が0.66、清水が0.29と岡山がやや優勢に見えた。
スコアレスのまま前半を折り返し、後半に向けて両チームの修正が期待された。
後半
後半は岡山ボールで再開。岡山は開始早々から攻勢を強め、2分には一美選手がペナルティエリア左から枠内シュートを放つが、清水GK沖選手が見事にセーブ。
清水は後半17分、住吉選手がペナルティエリア内で倒され、PKを獲得。この絶好機に北川選手がキッカーを務めるも、シュートは岡山GKブローダーセン選手が見事にセーブ。清水にとっては大きな痛手となった。
しかし、23分には清水がついに先制。高木選手のクロスに住吉選手がヘディングで合わせ、ゴール左上に突き刺した。これで試合は1-0と清水がリード。
岡山も負けじと攻勢を強め、30分には江坂選手のクロスに木村選手がヘディングでゴールを決め、1-1の同点に追いついた。
その後、両チームは積極的に選手交代を行い、試合の流れを変えようと試みる。清水は終盤に嶋本選手やD・タンキ選手を投入し、岡山は竹内選手やルカオ選手をピッチへ送り込む。
清水は北爪選手や高木選手がサイドから何度もクロスを供給するが、岡山の守備陣が集中した対応を見せる。岡山も終了間際にルカオ選手がゴールを狙うが、惜しくも枠を捉えられず。
試合はそのまま1-1で終了。シュート数は岡山14本、清水15本と拮抗し、ゴール期待値(xG)は岡山1.66、清水2.00と両者に得点機が多かった試合だった。
総括
この試合は、互いに攻撃的な姿勢を見せつつも、守備陣の粘り強い対応が光った一戦だった。特に岡山のGKブローダーセン選手はPKストップを含め、決定的な場面でのビッグセーブを連発し、勝点1を手繰り寄せた。
清水としては、ボール保持率や攻撃の質では優位に立ちながらも、決定機を生かし切れなかった点が課題となる。PKを決めていれば試合の流れが大きく変わっていた可能性もあり、決定力の向上が今後のカギとなる。
一方の岡山は、少ないポゼッションの中でカウンターとセットプレーを駆使し、効率的に得点を狙った。特に同点弾となった木村選手のヘディングシュートは、見事な形だった。
両チームともに収穫と課題があった試合であり、今後のリーグ戦に向けて修正が求められる。
今後
岡山は、この試合で見せた堅守速攻のスタイルをさらに磨くことが重要だ。ブローダーセン選手の安定感ある守備と、江坂選手を中心とした攻撃の組み立てを活かし、勝ち点を積み上げていきたい。
清水は、攻撃の形自体はしっかり作れており、あとは決定力の向上が鍵となる。北川選手や乾選手のコンビネーションを高め、より精度の高いフィニッシュを目指せば、さらに上位を狙えるチームとなるだろう。
どちらのチームも、次戦での勝利に向けてさらなる成長を期待したい。