試合前展望
J1第4節、名古屋グランパスとFC町田ゼルビアの対戦は、豊田スタジアムで開催された。両チームの過去の対戦成績は2勝2敗と全くの互角。
名古屋は3-4-2-1のフォーメーションを採用し、直近のリーグ戦から4人を入れ替え、佐藤選手や森島選手らを先発に起用。一方の町田も同じ3-4-2-1で、オセフン選手を含む3人をスタメンに加えた。
試合前の予想としては、ポゼッション志向の名古屋に対し、堅守速攻の町田がどこまで組織的な守備とカウンターを発揮できるかがポイントとなると考えられた。
前半
試合は町田のキックオフで始まった。序盤から町田は積極的なプレスとサイド攻撃を仕掛け、前半7分には相馬選手がドリブルで持ち上がりクロスを供給する場面を作る。
さらに左サイドから下田選手がクロスを入れるが、森島選手にブロックされる。両チームともにシュートチャンスを作るが決定機には至らず、慎重な立ち上がりを見せた。
試合が動いたのは前半13分。町田は下田選手のパスを受けた相馬選手がペナルティエリア内でクロスを供給し、それに反応した西村選手が見事なシュートを決め、町田が先制。
ポゼッション率は町田が60%とやや優勢に進める。
しかし名古屋もすぐに反撃。前半20分、稲垣選手のパスを受けた宮選手がペナルティエリア内でキープし、椎橋選手が絶妙なラストパスを供給。
それを佐藤選手が確実に決め、名古屋が同点に追いつく。
その後、一進一退の攻防が続く。名古屋は徳元選手が積極的にクロスを供給し、宮選手がシュートを放つも町田GK谷選手がセーブ。
町田も相馬選手を起点にチャンスを作るが、決定機を生かせない。
前半終了時点でスコアは1-1。ポゼッション率は名古屋が46%、町田が54%と互角ながら、町田がやや攻撃的に試合を展開していた。
後半
後半開始直後、名古屋は積極的に攻撃を仕掛ける。後半13分、稲垣選手のパスから三國選手がボールをつなぎ、佐藤選手が決定的なシュートを放つも、惜しくもゴールポストに阻まれる。
続くCKでもチャンスを作るが、町田DF陣の集中した守備により決定機には至らない。
対する町田は後半16分、西村選手に代えてナサンホ選手を投入。
すると後半29分、下田選手のシュートが一度は森島選手にブロックされるものの、こぼれ球を桑山選手が拾い、ナサンホ選手へパス。
それをナサンホ選手が冷静に決め、町田が再びリードを奪った。
名古屋も後半32分にマテウス選手と浅野選手を投入し、攻撃の活性化を狙う。
原選手のパスを受けた山岸選手がシュートを放つも枠を外れ、決定力に苦しむ展開が続く。
終盤には町田が時間を使いながら試合をコントロールし、名古屋の反撃を封じる。結果、1-2で町田が勝利を収めた。
総括
この試合は、名古屋がポゼッションを重視しながらも、決定機の創出に苦しみ、一方の町田が効率的な攻撃で得点を重ねた試合だった。
名古屋はシュート5本のうち枠内シュートが2本と、チャンスを決めきれなかったことが敗因の一つ。
特に後半の三國選手や佐藤選手の決定機を逃したことが痛手となった。
町田は、相馬選手や下田選手が起点となり、ナサンホ選手の決勝ゴールが決定的な違いを生んだ。
名古屋の守備陣は序盤から町田のサイド攻撃に苦しみ、対応しきれなかった部分が大きかった。
また、両チームとも選手交代が戦術的に機能した点も印象的だった。
町田のナサンホ選手は途中出場で決勝ゴールを決め、名古屋のマテウス選手や浅野選手も投入後に攻撃のリズムを変える場面を作ったが、ゴールには結びつかなかった。
今後
名古屋はポゼッションを生かしながらも、攻撃の精度を高める必要がある。
しかし、佐藤選手や宮選手のコンビネーションには光るものがあり、シーズンが進むにつれてより完成度を高めていくだろう。
また、途中投入のマテウス選手や浅野選手が持ち味を発揮しており、今後の試合で彼らの活躍が期待される。
町田は、堅守速攻のスタイルが確立されつつあり、相馬選手や下田選手が攻撃の起点として機能していた。
特にナサンホ選手の決定力は素晴らしく、今後も試合を決定づける存在になれるだろう。
また、試合終盤の時間の使い方も洗練されており、チーム全体の成熟度が増していることが感じられる。