試合分析・戦評
最終節の埼玉スタジアム2002は47,878人の大観衆が詰めかけ、浦和レッズが今季最多得点差となる4-0で川崎フロンターレを下した。試合は序盤から浦和が前線から強烈にプレッシングを仕掛け、川崎Fのビルドアップを牽制。川崎Fはポゼッションを保持しながらも、シュートに至る前に浦和の中盤・最終ラインの圧力に阻まれ続けた。特にSグスタフソン選手と安居選手のスライド守備が秀逸で、中央のコースを徹底して消しながらテンポよく前進する攻撃の起点にもなった。序盤の流れをつかんだ浦和は、Mサヴィオ選手と中島選手が流動的にポジションを変えながらチアゴサンタナ選手をサポートし、次々とシュートシーンを創出した。シュート本数は前半だけで8本を記録し、川崎Fを押し込む展開を維持した 。
均衡を破ったのは前半44分。中島選手、Mサヴィオ選手、チアゴサンタナ選手へとワンタッチでつながった華麗な連係から、最後はSグスタフソン選手が右足で流し込み先制した 。この先制点は浦和に余裕をもたらし、後半に向けても主導権を握る要因となった。
後半、川崎Fは3枚替えで流れを変えようと試み、大関選手やロマニッチ選手を投入して前進の機会を作った。しかし浦和は揺らぐことなく、54分には中島選手の突破とクロスにチアゴサンタナ選手が合わせ追加点。さらに58分にはセットプレーから根本選手が豪快にヘディングを決め、川崎Fを突き放した。終盤には途中出場の安部選手のクロスにIキーセテリン選手が合わせて4点目。この日出場した全ての攻撃的選手が存在感を示す、浦和にとって会心のゲームとなった 。
一方の川崎Fは、後半に数回ゴール前まで迫ったものの、最後の局面での精度を欠き、枠内シュートは1本のみ。浦和の守備ブロックを崩す糸口をつかめないまま最終節を終える形になった。浦和はこの試合でパス数650本、シュート18本と圧倒。質・量ともに今季屈指の内容を示し、記念すべきJ1通算500勝をホームで飾った。
これからに向けて
🔴 浦和にとってこの試合は、シーズンを象徴する”守備の組織と攻撃の連動性”が最も高いレベルで噛み合った一戦だった。Sグスタフソン選手を中心とした中盤の守備強度はリーグでもトップクラスであり、相手のビルドアップを寸断しながら素早い攻撃へ転じるスタイルが確立されつつある。中島選手やMサヴィオ選手といった創造性の高い選手が躍動したことで、来季に向けて「ボール保持と速攻の両立」がより進化する期待が持てる。チアゴサンタナ選手、ホイブラーテン選手が退団する中でも、攻撃の駒は多彩であり、途中出場のIキーセテリン選手や安部選手が存在感を示したのは大きな収穫。若手の照内選手がデビューを果たしたように、世代交代の流れも始まっており、チームの未来に広がりを感じさせた。今節の圧勝は来季への最高のブリッジとなり、タイトル争いへの再浮上も十分に狙えるだろう。
🔵 川崎Fは大敗こそ喫したが、後半の立ち上がりに見せた構造的な崩しや、大関選手・ロマニッチ選手の投入を機に生まれた攻撃の推進力は来季に向けた好材料である。特にロマニッチ選手の受けてからのターン、マルシーニョ選手とのコンビネーションは相手を押し下げる迫力があり、得点まであと一歩の場面も作り出した。また、佐々木選手や名願選手など若手が積極的に仕掛ける姿勢を示し、チームとしての”次の形”が徐々に見えてきた点は評価できる。守備面では負傷や退団選手の影響もあり、連携面に課題が残るものの、ウレモヴィッチ選手のカバーリングや脇坂選手の配球力は健在で、改善の余地とポテンシャルは十分。今季の経験値が若い選手たちを確実に成長させており、来シーズンは再び「川崎らしい攻撃サッカー」を取り戻すための重要な土台となるはずだ。
SNSの反応
💬🔴 浦和レッズサポーター
「最高の最終節!4-0で500勝なんてドラマすぎる」
「中島選手のキレが別次元。来季のエースは彼でしょ」
「チアゴサンタナ選手の最後がこんな完璧な形で終わるとは…感動した」
「若手が躍動してるのが嬉しい。照内選手デビューおめでとう!」
「今年苦しかったけど、この試合で全部報われた気がする」
💬🔵 川崎フロンターレサポーター
「大敗だけど大関選手・ロマニッチ選手は光ってた」
「守備の連携は課題だけど、若手が積極的で未来は明るい」
「名願選手が出てくるとワクワクする。来季はもっと見たい」
「家長選手のラストゲーム、もっといい形で終わらせたかった…」
「今日は完敗。でもクラブを信じて来季に期待したい」
