試合分析・戦評
この一戦は、町田がホーム扱いでありながら、国立競技場という特殊な舞台で、昇格組ながら安定して戦ってきた町田と、やや苦戦が続く東京がぶつかった意味ある対戦となりました。最終スコアは 町田 0-1 東京。87分に東京の安斎颯馬選手が勝ち越しゴールを決め、東京が辛くも勝利を収めました。
前半は両者とも守備的に入り、特に町田が主導権を握る時間帯を確保しながらも、決定機を作り切れず。町田の攻撃では、例えば仙頭啓矢選手→オ・セフン選手と連携してボックスまで迫るシーンがありましたが、東京GKキム・スンギュ選手の好守もあり、前半は0-0で終了。
東京は守備に構えながらも、少ないチャンスを大切にする姿勢が見えていました。後半に入ると、町田がやや攻め急ぐ展開になり、逆に隙を突かれる形となります。87分、東京がカウンターから仕掛け、安斎選手が冷静に左サイド突破からクロス→押し込む形で勝ち越し。
町田としては、攻撃的布陣であったものの、最後の精度・決断がわずかに欠けた印象です。低く構える東京に対してもっとサイド突破やクロスの精度、あるいは守備ブロックを崩す工夫が欲しかったところ。東京は守備ブロックを敷きながらも、セットプレー・クロス・ロングボールといった相手の得意パターンをしっかり警戒していたとのコメントもありました。
総じて、「勝負どころを決めた東京」「チャンスを活かし切れなかった町田」という構図が明確でした。特に、昇格組ながら好調を維持する町田にとって、この舞台での敗戦は痛く、また東京にとっても過去対戦で勝てていなかった相手だけに、勝利の価値は高いと言えます。
今後、両チームとも天皇杯準決勝を控えており、この試合の流れがその流れにも影響を与えそうです。
これからに向けて
町田は今季、昇格組ながらJ1で着実に足跡を残しており、本試合も勝利こそ届かなかったものの多くの収穫がありました。特に前半に主導権を握った時間帯や、相手を押し込む展開を作れたことは自信材料です。攻撃の起点となった仙頭啓矢選手、オ・セフン選手、相馬勇紀選手らが意欲的に仕掛け、サイドからの突破とクロスの場面を複数作り出した点は賞賛に値します。
守備面でも終盤まで集中を切らさず、1失点で抑えたのは次への大きな布石。特に3バック+ウイングバックの守備体制で対戦相手の主攻をある程度抑えた形は、黒田剛監督の目指す姿の一端が垣間見えました。
また、国立競技場という大舞台でアウェイ的立場ながら臆せず戦った姿勢は、クラブ・サポーター双方にとっての誇りです。「次こそ勝ち切る」ための課題(精度・決断・最後のひと押し)を明確に掴んだ試合とも言え、これを整備すればJ1中位以上の戦いが十分視野に入ります。チーム全体でこの経験を活かし、残り試合やカップ戦での勝負強さを身につけてほしいと思います。
FC東京は勝利という結果を持ち帰ったことで、過去に苦手としていた相手をようやく捻じ伏せた意味ある1勝となりました。特に87分という遅い時間帯での勝ち越しは、選手たちの集中力・粘り強さを象徴しています。安斎颯馬選手のゴールは、チームにとっても気持ちの面で大きなスイッチになったでしょう。
守備においても、町田の得意とするクロス・ロングボール・セットプレーを警戒し、整理された守備ブロックを形成できた点は評価できます。さらに、攻撃では少ないチャンスを確実にモノにするという“勝ち切る姿勢”が出ており、これはシーズン終盤に向けた大きな強みとなるはずです。
今後、天皇杯準決勝などの「一発勝負」に向けても、この勝利を弾みにしつつ「先制してそのまま勝つ」流れを継続できれば、タイトル獲得も視野に入ってきます。選手たちがこの勝利のイメージを保持し、残り試合に自信と余裕を持って臨むことを期待します。
SNSの反応
FC町田ゼルビアサポーター
「国立競技場での雰囲気最高だった。勝ちたかったけど次がある!」
「仙頭選手、オ・セフン選手らの仕掛けにはワクワクした。あとは決めきりたかった」
「昇格1年目でこの舞台に立てたことが素晴らしい。経験を積もう」
「守備は最後まで頑張った。1失点で止めたのは進歩だと思う」
「今日の悔しさを糧に、次こそ“勝ち癖”をつけてほしい」
FC東京サポーター
「安斎選手ナイスゴール!苦しい展開を見事にひっくり返した」
「守備が締まっていた。町田の攻撃をよく抑えられた」
「国立で勝てたってのがデカイ。これで精神的にも一歩前へ」
「少ないチャンスをものにするチームになってきた」
「天皇杯に向けていい弾み。次もこの調子で勝ちに行こう」
