試合分析・戦評
11月8日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われたJ1第36節。7位の川崎フロンターレは、残留争い中の15位ファジアーノ岡山を迎えた。結果は1-1の引き分け。川崎Fにとっては勝利目前で逃した痛恨のドローとなり、岡山にとっては価値ある勝点1となった。
試合序盤、川崎Fは脇坂泰斗選手や伊藤達哉選手を中心に主導権を握ろうとするも、岡山の守備ブロックは堅く、決定機を作り切れない展開。6分には脇坂選手のCKからエリソン選手が決定機を迎えるが、枠を外す。対する岡山も江坂任選手や木村太哉選手を起点に鋭いカウンターを狙い、15分には木村選手のシュートがGK山口瑠伊選手に阻まれるなど、一進一退の攻防が続いた。
前半のポゼッションはほぼ互角。川崎Fがテンポよくパスをつなぐ一方で、岡山は中盤でコンパクトに構え、ミスを誘う形で試合を進めた。両者ともに決定機を生かせずスコアレスで折り返すと、後半は川崎Fが徐々に押し込む展開に。伊藤選手やエリソン選手が次々とシュートを放ち、ゴール期待値も1.7超えと内容では圧倒した。
その流れを形にしたのは後半39分。セカンドボールを拾った山本悠樹選手が右足を振り抜き、コースが変わったボールがゴール右隅に吸い込まれた。待望の先制点に等々力が沸いた。しかし、終了間際に岡山が意地を見せる。90+5分、末吉塁選手の突破から佐藤龍之介選手がクロス。大外から松本昌也選手が頭で合わせて同点弾を決めた。川崎Fは終盤の試合運びに課題を残し、1-1のドローで試合終了となった。
これからに向けて
川崎Fにとっては勝ち切れなかった試合ではあるが、内容面では光明が多く見られた。特に攻撃面では伊藤達哉選手やマルシーニョ選手、エリソン選手といった前線の連携が良化しており、シュート数18本、枠内9本と、相手を押し込むスタイルを取り戻しつつある。途中出場の家長昭博選手や大関友翔選手も落ち着いたプレーを見せ、控え組を含めた戦力層の厚みを証明した。
また、守備面ではジェジエウ選手とウレモヴィッチ選手のセンターバックコンビが機能し、1失点ながら空中戦の強さを発揮。山口瑠伊選手の安定したセーブもチームの支えとなった。今後は終盤の試合運びと集中力の維持が課題だが、攻守のバランスは確実に改善傾向にある。最終盤で上位争いに食い込むためにも、この試合内容を次につなげていきたい。
岡山にとって、この引き分けはまさに“残留へつながる勝点1”となった。前節まで3試合勝利がなかった中、アウェイで川崎F相手に堂々とした戦いぶりを見せた。特にGKスベンド・ブローダーセン選手の好守が光り、前半から後半にかけて決定機を何度も防いだことがチームを救った。
さらに、途中出場の松本昌也選手が終了間際に見せた同点弾は、チームの粘り強さと精神力を象徴するものだった。佐藤龍之介選手のクロス精度、末吉塁選手の突破力など若手の台頭も明るい材料。立田悠悟選手や鈴木喜丈選手の不在を感じさせない守備組織の再構築も評価できる。残留争いのプレッシャーがかかる中で、チーム一体となって戦う姿勢が結果に結びついた。次節以降もこの粘り強さを維持できれば、残留は現実的な目標となるだろう。
SNSの反応
川崎フロンターレサポーター
「山本選手のミドル最高!でも最後の守備、もったいなかった…」
「攻撃は良かったけど、試合の締め方を改善してほしい」
「家長選手が入ってから流れが落ち着いた。さすがの存在感」
「山口選手、今季一番の安定感だった」
「等々力が最後まで熱かった!勝ちたかったけど前向きに次へ」
ファジアーノ岡山サポーター
「最後まで諦めない姿勢に泣いた。松本選手ありがとう!」
「ブローダーセン選手の神セーブ連発、まさに守護神」
「佐藤龍之介選手のクロスが完璧すぎた」
「末吉選手のドリブル突破が効いてた。交代がハマった!」
「この勝点1は大きい!まだ残留は諦めない!」
