試合分析・戦評
10月26日、デンカビッグスワンスタジアムで行われたJ1第35節。前日の結果によりJ2降格が決定していたアルビレックス新潟は、リーグ3連覇を目指すヴィッセル神戸をホームに迎えた。立ち上がりはボールを保持する新潟だったが、神戸の縦に速い展開とサイドからのクロス攻撃に苦しめられる。前半終盤、宮代大聖選手のクロスを受けた大迫勇也選手がヘディングで先制。さらに後半早々、宮代選手が倒されて得たPKを大迫選手が冷静に決め、0-2と神戸がリードを広げた。
しかし、新潟はここから意地を見せた。長谷川元希選手を軸に中盤のテンポが上がり、途中出場のマテウス・モラエス選手がリズムを作る。74分、モラエス選手のスルーパスに反応した島村拓弥選手が冷静に左足を振り抜いて1点を返す。さらに終了間際の90分、長谷川選手の絶妙な浮き球パスに若月大和選手が抜け出し、右足でニアサイドを射抜く同点弾を叩き込んだ。降格決定後の試合とは思えぬ集中力と闘志を見せた新潟が、上位神戸から勝点1をもぎ取った。
神戸は内容で優位に立ちながらも、終盤にリードを守り切れず。大迫選手は2得点と存在感を示したが、チーム全体の守備強度が落ちた後半に課題を残した。一方の新潟は、2人の若手がプロとしての意地を見せた価値あるドロー。試合後、橋本健人選手は「勝てていない現状は変わらない。最後まで勝利を目指す」と語り、チームの戦う姿勢を示した。
これからに向けて
🔶 アルビレックス新潟は降格決定後とは思えない戦う姿勢と、若手の躍動が光った試合だった。長谷川元希選手のボランチ起用は見事に機能し、攻撃のリズムを作り出した。マテウス・モラエス選手、島村拓弥選手、若月大和選手と、途中出場組が揃って結果を出した点もチームとしての収穫だ。特に若月選手のゴールは練習から磨いてきた形で、チーム全体の前向きな雰囲気を象徴するものだった。
課題であるセットプレー守備には依然改善の余地があるが、「勝利を諦めない姿勢」がサポーターの心を打った。降格という厳しい現実の中でも、未来への希望を感じさせる90分だった。次節以降も、成長過程にある若手がどこまで自信を深めるか注目したい。
🔴 ヴィッセル神戸は大迫勇也選手の2得点はさすがの一言。特に1点目のヘディングは、わずかなスペースを逃さず仕留めるエースらしいゴールだった。扇原貴宏選手や飯野七聖選手を中心に組み立てた前半の攻撃は質が高く、アウェイでも主導権を握る時間帯が長かった点はポジティブに捉えられる。
一方で終盤の守備強度低下が課題として浮き彫りになったが、これは選手層の厚さを試す好機ともいえる。井手口陽介選手や佐々木大樹選手の投入で再び流れをつくる場面もあり、チームの底力は健在だ。残り3試合、上位争いを続けるためにも「最後まで戦い抜くメンタリティ」が問われる。内容面では十分に優勝争いに値する力を保っている。
SNSの反応
💬 新潟サポーター
「降格決定後でもここまで戦うとは…本当に胸を打たれた」
「若月選手のゴール、涙が出た。来季の希望を見た!」
「長谷川選手のパスセンスすごい。攻撃が一気に活性化した」
「田代選手のセーブがなかったら試合が壊れていた」
「ブスワン最高の雰囲気だった。最後まで応援してよかった」
💬 神戸サポーター
「大迫選手は別格。2点とも完璧だった」
「終盤の守備が緩すぎた…もったいないドロー」
「鍬先選手の運動量すごかった!次に期待」
「前川選手のセーブも光ってた。結果は残念だけど内容は悪くない」
「首位との差を詰められなかったのは痛いけど、最後まで信じてる」
