試合分析・戦評
J1第32節、パナソニック スタジアム 吹田で行われたガンバ大阪対アルビレックス新潟の一戦は、4-2でガンバ大阪が逆転勝利を収めた。好調のガンバ大阪は試合前からボール保持率で優位に立ち、序盤から黒川選手、デニス ヒュメット選手、宇佐美貴史選手らを中心に新潟ゴールへ迫った。しかし、前半15分に島村拓弥選手のパスから新井泰貴選手に決められ、思わぬ形で先制を許す展開となった。得点に飢えていた新潟は、久々の先制点を武器に守備ブロックを固めつつ、長谷川元希選手らの突破で追加点を狙った。
それでも、勢いを止めなかったのはガンバ大阪だった。37分、半田陸選手の縦パスから山下諒也選手がクロスを供給し、最後は宇佐美選手が節目のJ1通算300試合を自ら祝うかのようにゴールを奪取。1-1で折り返した後半も一進一退の攻防となったが、49分には宇佐美選手のミスから藤原奏哉選手が起点となり、奥村仁選手が抜け出して新潟が勝ち越す。苦しい時間帯に再びビハインドを背負ったガンバ大阪だったが、ここから真価を発揮する。
60分、デニス ヒュメット選手がゴール前で粘り、落としに反応したウェルトン選手が豪快に叩き込んで同点。続く64分には、相手のクリアに反応した安部柊斗選手が強烈な一撃を決めて逆転に成功する。そして75分には、舞行龍ジェームズ選手のパスミスを見逃さなかったデニス ヒュメット選手が自ら仕留め、勝負を決定づけた。ガンバ大阪は後半わずか15分で3得点を挙げ、圧倒的な攻撃力を披露。終盤も交代選手が積極的に絡み、最後まで主導権を渡さず試合を締めくくった。
シュート数17対6、枠内10対2という数字が示すように、内容面でもガンバ大阪が新潟を上回った。守備ブロックを敷く新潟を相手に、崩しのアイデアと決定力で差をつけた試合といえる。新潟も二度リードを奪うなど希望を見せたが、集中力の途切れやミスが響き、残留争いの厳しさを痛感させられる結果となった。
これからに向けて
ガンバ大阪はこれでリーグ戦5連勝と絶好調を維持している。特筆すべきは攻撃の多彩さで、宇佐美貴史選手の節目を飾るゴールをはじめ、ウェルトン選手や安部柊斗選手、さらにはデニス ヒュメット選手と、複数のアタッカーが得点を奪えている点が大きい。誰か一人に依存することなく、チーム全体で得点を積み上げられていることは、今後のAFCチャンピオンズリーグや終盤戦の上位争いにおいても強みになるだろう。また、交代選手のファン アラーノ選手や奥抜選手も試合に躍動感を与えており、層の厚さが光っている。課題は序盤の入り方や集中力の部分で、先制を許す場面が続いている点は改善余地があるが、それを上回る修正力と勝負強さを発揮している。ここからさらに勢いを持続できれば、上位フィニッシュも現実的な目標になるはずだ。
アルビレックス新潟は12試合勝利なしと苦しい状況が続いているものの、この試合では二度リードを奪うなど、攻撃面に改善の兆しが見られた。新井泰貴選手のゴールや奥村仁選手の得点は、若手選手の台頭という明るい材料であり、未来への希望を感じさせる内容だった。また、長谷川元希選手や藤原奏哉選手が鋭い突破から決定機を演出するなど、チャンスメイク力は健在である。守備面では課題が残ったものの、ブロックを形成して粘る時間帯やカウンターの鋭さは相手を脅かしており、戦い方の方向性は見えている。あとは個々のミスを減らし、最後まで集中力を保つことができれば、勝利に手が届く試合が増えるだろう。若手とベテランがうまく融合すれば、残留争いを乗り越え、来季に向けてチームの基盤を固められるはずだ。
SNSの反応
ガンバ大阪サポーター
「宇佐美選手300試合でゴール!本当にクラブの象徴だ」
「ウェルトン選手も安部選手も頼もしい、得点力がチーム全体に広がってる」
「デニス ヒュメット選手の勝負強さ、最高!」
「ACL前に勢いがついたのは大きい」
「失点は課題だけど、逆転できる強さが今のガンバにはある」
アルビレックス新潟サポーター
「新井選手と奥村選手のゴールは希望を感じた」
「若手が結果を出したのはポジティブ」
「リードを守れなかったのは残念だけど、戦う姿勢は見せてくれた」
「長谷川選手の突破は相手にとって脅威になっていた」
「課題はあるけど、前を向いて次に期待したい」
