試合分析・戦評
J1第32節、ヨドコウ桜スタジアムで行われたC大阪と京都による関西ダービーは、激しい攻防の末に1-2で京都が勝利しました。両チームともに攻撃力に定評があり、総得点数上位同士の対決らしく、立ち上がりからスピーディーで迫力ある展開となりました。
序盤は京都がボールを握り、原選手や須貝選手を起点に積極的にゴール前に迫りました。特に3分の須貝選手のシュートは井上選手の体を張ったブロックに阻まれましたが、京都が攻撃のリズムをつかむ場面が目立ちました。C大阪は香川選手やルーカス・フェルナンデス選手を起点に攻撃を組み立てようとしましたが、京都の前線からのプレスに苦しみ、決定的なチャンスは限られました。
前半25分には両チームのキーマンが相次いで負傷交代するアクシデント。京都はラファエル・エリアス選手、C大阪はルーカス・フェルナンデス選手がピッチを退き、ゲームプランに大きな影響を与えました。それでも流れを崩さなかった京都は、前半44分、平戸選手の低いCKから松田天馬選手が右足で沈めて先制に成功。デザインされたセットプレーで得点力を示しました。
後半に入ると、C大阪が一気にギアを上げます。54分、柴山選手のCKからディオン・クールズ選手が合わせて惜しくも外れた直後、57分に再び柴山選手のCKにクールズ選手が反応し、見事にゴールネットを揺らしました。ホームサポーターの声援に後押しされて勢いを増したC大阪は、香川選手、本間選手らが積極的に攻撃を仕掛け、逆転を狙いました。
しかし、勝負を決したのは京都のセットプレーでした。87分、山田選手の左CKに途中出場の長沢選手が力強いヘディングで合わせ、勝ち越しゴールを奪取。試合はそのままタイムアップを迎え、京都が敵地で大きな勝点3を手にしました。
スタッツを振り返ると、シュート数はC大阪13本、京都12本とほぼ互角。ゴール期待値もC大阪1.47、京都1.06と拮抗した内容でした。しかし、京都は決定的場面で確実にセットプレーを生かし、効率の良さを示しました。C大阪は後半の攻勢を勝利につなげられなかった悔しい内容となり、ホームで4試合勝ちなし。対照的に京都は優勝争いに食らいつく価値ある勝利となりました。
これからに向けて
C大阪にとっては結果こそ悔しい敗戦でしたが、内容的には光明も多く見られました。特に後半の立ち上がりから見せた攻撃姿勢は、サポーターの後押しを受けて一体感を感じさせるものでした。柴山選手のキッカーとしての精度、クールズ選手の高さを生かした得点は、今後のセットプレーの大きな武器になるでしょう。また、本間選手や香川選手が絡んだ崩しも機能しており、フィニッシュの質を高めれば得点力はさらに向上すると期待できます。負傷交代が続いた中でも戦術を維持できたことはチームの層の厚さを示しており、今後の上位争いへ向けて十分な戦力があると感じさせる内容でした。課題は決定機の決め切りとセットプレー守備。ここを修正できれば、再び上位進出を狙えるでしょう。
京都にとってはアウェイでの勝利、そして関西ダービー制覇という大きな成果を収めた一戦となりました。松田選手と長沢選手という、異なる持ち味を持つ選手がそれぞれセットプレーから得点を決め、チームとしての多様性と厚みを示しました。平戸選手のキック精度や山田選手の躍動感も際立ち、交代選手がしっかり試合を動かした点は大きな収穫です。攻撃面では、原選手や福田選手の突破力が健在であり、全体の攻撃バリエーションを広げています。守備ではGK太田選手を中心に粘り強くゴールを守り抜き、アウェイでも自信を持って戦えるチームになっていることを証明しました。優勝争いに残るために必要な勝点3を掴んだ今節は、チームの士気を大いに高める結果となったでしょう。
SNSの反応
C大阪サポーター
「後半の攻撃は良かったけど、最後の一押しが足りなかった」
「柴山選手のCKは武器になる。もっとセットプレーで点を取りたい」
「負傷者が出ても戦えていたのはポジティブ。次こそ勝利を!」
「守備の集中力を90分間持続させてほしい」
「ホームで勝てないのは悔しいけど、内容は悪くなかった」
京都サポーター
「松田選手も長沢選手も最高!セットプレーで試合を決めた」
「GK太田選手の安定感に救われた。大きな存在感」
「交代策がズバリ当たったのが嬉しい」
「アウェイで勝ち切る力がついたのは頼もしい」
「この勝利で優勝争いにまだ残れる!勢いに乗っていこう」
