試合分析・戦評
J1第31節、鹿島アントラーズ対セレッソ大阪の一戦は、互いに大幅なメンバー変更で臨む中、緊迫感ある攻防が展開された。前半はアウェイのC大阪が積極的に仕掛け、28分にヴィトール ブエノ選手のPKで先制する。しかし、失点に関与した知念 慶選手がわずか3分後に植田 直通選手のクロスに頭で合わせ、同点に追いつく。前半は互いに持ち味を出しつつもミスも多く、均衡した展開で折り返した。
後半に入ると鹿島は柴崎 岳選手とターレス ブレーネル選手を下げ、舩橋 佑選手と鈴木 優磨選手を投入。采配が奏功し、攻撃の厚みが増した。53分、植田 直通選手のロングフィードから抜け出したレオ セアラ選手が冷静に決め、逆転に成功する。さらに68分には途中投入のチャヴリッチ選手と松村 優太選手が絡み、松村選手がゴールを決めて3-1と突き放した。終盤はC大阪も本間 至恩選手やLフェルナンデス選手らを中心に反撃を試みたが、GK早川 友基選手の好守や植田選手を中心とした堅守を崩せず、そのまま試合終了。
スタッツ面ではC大阪のゴール期待値が2.00と上回り、決定機を作れていたことが分かるが、最後の精度やフィニッシュの部分で鹿島守備陣に阻まれた。一方の鹿島は効率よくチャンスを決め切り、流れを逃さないしたたかさを見せつけた。結果は3-1で鹿島が勝利し、3連勝で首位を堅持。C大阪は大胆なターンオーバー策が裏目に出た形となり、勝ち点を積み上げることはできなかったが、控え組の奮闘や将来を見据えたメンバー起用は一定の収穫となった。
これからに向けて
鹿島はこの勝利で首位をさらに盤石にしただけでなく、選手層の厚みを証明した試合となった。柴崎 岳選手をはじめとする主力を下げても、舩橋 佑選手や松村 優太選手らが高いパフォーマンスを発揮し、チーム全体の競争力を押し上げている。特に植田 直通選手の2アシストは、守備リーダーとしてだけでなく攻撃面でも存在感を示すものであり、チームの多様な得点パターンを感じさせた。今後は優勝争いのプレッシャーが強まるが、この日のようにベテランと若手が一体となった戦いができれば、安定感を持って残り試合を乗り切れるだろう。攻守において「連動性」と「切り替えの速さ」を継続できれば、悲願のタイトルに大きく近づく。
C大阪にとっては痛い敗戦となったが、先発全員を入れ替えた中で首位の鹿島相手にゴール期待値で上回る戦いを見せたことはポジティブな材料だ。PKを沈めたヴィトール ブエノ選手をはじめ、本間 至恩選手や中島 元彦選手が積極的に仕掛け、攻撃に厚みをもたらした。守備では終盤に押し込まれる場面もあったが、大畑 歩夢選手や奥田 勇斗選手ら若手の奮闘はチームの将来につながる貴重な経験となった。シーズン終盤に向けては、主力と控えの融合を進めながら、勝ち点を積み上げることが課題だ。首位を追う展開ではなくとも、残り試合での勝利はACL出場権や来季の布陣構築に大きな意味を持つ。前向きに捉えれば、この試合は若手の台頭を促す良いステップといえるだろう。
SNSの反応
鹿島アントラーズサポーター
「知念選手が失点を取り返すゴール!これぞ鹿島の魂」
「植田選手が守備も攻撃も大活躍、キャプテンシーが光った」
「松村選手のゴールで完全に流れをつかんだ、若手の躍動感が頼もしい」
「3連勝で首位堅持!今年こそ優勝だ」
「早川選手のセーブが大きかった、最後まで安心して見られた」
セレッソ大阪サポーター
「フルターンオーバーでも首位相手に互角以上に戦えた」
「ブエノ選手のPKはさすが、気持ちがこもっていた」
「中島選手や本間選手が積極的で未来を感じる」
「決定力さえあれば結果は違った、内容は悪くない」
「若手が経験を積んだことはポジティブ、次につながる」
