試合前展望
2025年2月26日に行われたJ1リーグ第3節、FC町田ゼルビア対東京ヴェルディの一戦。両チームともに3-4-2-1のフォーメーションを採用し、コンパクトな守備と素早い攻撃を重視するスタイルが予想された。
過去の対戦成績では町田が9勝6分5敗と勝ち越しているものの、今季の東京Vは開幕から安定した戦いを見せており、接戦が予想された。
町田はM・デューク選手がスタメンに復帰し、東京Vは山見選手が先発入り。前線の選手たちがどのような仕掛けを見せるかが試合の鍵となった。
前半
試合は町田のキックオフで開始。開始早々の2分、町田は相馬選手がペナルティエリア左からシュートを放つも、東京VのGKマテウス選手がセーブ。続く3分にはM・デューク選手がCKからシュートを放つが、枠を外れる。
試合序盤は町田が積極的に攻撃を仕掛けるものの、東京Vも9分に齋藤選手が鋭いミドルシュートを放ち、GK谷選手がセーブする場面があった。そして迎えた13分、東京Vは山見選手のスルーパスから新井選手がクロスを供給し、齋藤選手が冷静にゴール左下へ流し込んで先制点を挙げる。
このゴールにより東京Vは自陣にブロックを築き、町田の攻撃を抑えながら試合をコントロール。町田もボールを保持しながらチャンスを狙うが、東京Vの組織的な守備に阻まれる。20分時点でのシュート数は町田3本、東京V3本と互角だったが、ゴール期待値では東京Vが0.42と町田の0.12を上回っていた。
その後も東京Vは翁長選手を起点とした左サイドの攻撃でチャンスを作り出し、町田はM・デューク選手や中山選手を活かして攻撃を仕掛けるも、決定機を作るには至らず。結局、前半は東京Vが1-0とリードして折り返した。
後半
後半開始と同時に町田はM・デューク選手を下げ、ナサンホ選手を投入。攻撃の活性化を図った。後半5分、町田は相馬選手が右足でシュートを放つも、再びマテウス選手にセーブされる。続く6分には西村選手のパスを受けたナサンホ選手がペナルティエリア内でボールを収めるが、シュートには持ち込めなかった。
東京Vも15分には山田選手がミドルシュートを放つが、町田のGK谷選手がセーブ。試合の流れは町田が押し込む展開となり、20分には町田が西村選手と白崎選手を下げ、オセフン選手と下田選手を投入。攻撃の圧力をさらに強めた。
30分時点でのポゼッションは町田52%、東京V48%と町田がやや優勢。しかし東京Vは翁長選手が個人技を活かしてドリブル突破を仕掛け、チームとしてカウンターを狙い続けた。34分には東京VがCKを獲得するが、藤尾選手のクリアで決定機には至らず。
その後、町田は藤尾選手や林選手を投入し、攻撃のギアを上げた。39分、下田選手のクロスにナサンホ選手が合わせるが、マテウス選手の好セーブで阻まれる。最後まで町田が攻勢を強めたが、東京Vの堅守を崩せず、試合は0-1で終了した。
総括
この試合は、東京Vが先制後に守備を固め、町田の猛攻を凌ぎ切る展開となった。シュート数は町田10本、東京V6本と町田が多かったものの、枠内シュートやゴール期待値では東京Vがわずかに上回っており、効率的な攻撃を展開したといえる。
町田にとっては、試合を通してゴールに迫る場面は多かったが、フィニッシュの精度が課題として浮き彫りになった。特に後半は攻撃的な交代策を取りながらも、東京Vの粘り強い守備に阻まれた点が悔やまれる。
一方の東京Vは、試合の入りからしっかりとした守備を築き、効果的なカウンターを展開した。翁長選手や山見選手の突破力が光り、決定機を確実にものにした点が勝因といえる。
今後
町田は敗れはしたものの、試合終盤の攻撃は迫力があり、決定力の向上が次の課題となる。相馬選手の仕掛けや下田選手のプレーメイクには光るものがあり、これを活かした戦いができれば、今後の試合でも勝点を積み上げることができるはずだ。
東京Vにとっては、チームとしての守備意識が非常に高く、特にGKマテウス選手の安定感が際立った。攻撃面では、齋藤選手の決定力と翁長選手のドリブル突破が今後の武器になるだろう。引き続き、このスタイルを継続し、攻守に渡るバランスの取れた戦いを続けていけば、上位争いも見えてくるはずだ。
次節に向けて、両チームのさらなる成長に期待したい。