試合分析・戦評
J1第29節、エディオンピースウイング広島で行われたサンフレッチェ広島と京都サンガF.C.の上位対決は、1-1のドローに終わった。広島は序盤から圧倒的な攻勢を仕掛け、ポゼッション率でも優勢を維持。特に前田選手や中野選手が絡む右サイドの攻撃から立て続けにチャンスを生み出し、加藤選手やジャーメイン選手がゴール前でフィニッシュに迫った。前半終了間際には佐々木選手のヘディングシュートがクロスバーを直撃し、スタジアムを大きく沸かせたが得点には至らなかった。前半のシュート数は広島が13本に対して京都はわずか1本と、内容的には広島が完全に主導権を握る展開だった。
後半も広島が勢いを落とさずに攻め込み、18分には塩谷選手のパスから木下選手が決定機を迎えると、最後は佐々木選手が押し込み待望の先制点を奪った。先制後も広島は木下選手やヴァレール ジェルマン選手を中心に攻撃を畳みかけ、試合をコントロールしていた。しかし、追加点を奪えないまま時間が経過すると、京都が反撃を開始。曺監督は奥川選手やマルコ トゥーリオ選手を投入し、前線に厚みを加えた。すると終了間際の88分、トゥーリオ選手のクロスにラファエル エリアス選手が反応し、力強い左足シュートで同点弾を叩き込んだ。この一撃で試合は振り出しに戻され、広島にとっては痛恨の失点となった。
最終的なシュート数は広島が24本、京都が5本と大差がついたものの、決定力の差が結果を左右した。広島は試合内容で圧倒しながらも勝ち切れなかった悔しさが残る一方、首位を走る京都は苦しい展開の中でも勝点1を拾い、優勝争いにおける粘り強さを示した試合となった。
これからに向けて
広島にとっては勝ち点3を逃した試合となったが、内容的には非常にポジティブな要素が多かった。特に前田選手や中野選手を起点としたサイド攻撃は鋭さを増しており、守備面でも大迫選手を中心に大きな破綻は見られなかった。木下選手やヴァレール ジェルマン選手といった途中出場組も存在感を発揮し、選手層の厚さがシーズン終盤に向けて強みとなるだろう。決定力不足は課題として残ったものの、これだけ多くのチャンスを作り出せていること自体がチームの成長を示している。次節以降で同じパフォーマンスを継続できれば、勝利は必ずついてくるはずだ。さらに、ACLエリート開幕を控える中で高い強度を維持できたことも心強い。攻守の一体感を保ち、最後の一押しを決め切れるかが今後の鍵となる。
京都は苦しい試合展開となったが、最少のチャンスを得点につなげるしたたかさを発揮した点は大きな収穫だ。ラファエル エリアス選手の決定力は絶対的な武器となっており、彼を中心とした攻撃はシーズン終盤に向けてさらに脅威となるだろう。守備面でも集中を切らさず、広島の猛攻を最後の局面で体を張って防ぎ切ったことが勝点1獲得に直結した。さらに、途中出場の奥川選手やトゥーリオ選手がチームに流れを引き寄せた点もポジティブで、選手層の厚さを示した。内容的には課題を残したが、優勝争いを続ける中で「負けないこと」の価値は大きい。今後も守備の堅実さとカウンターの決定力を磨き続けることで、首位を維持し続ける可能性は十分にある。
SNSの反応
広島サポーター
「内容では圧倒していたのに勝ち切れなかったのは悔しい」
「佐々木選手のゴールはさすがキャプテン!」
「決定力不足が最後まで課題…次こそは決め切ってほしい」
「木下選手がかなり効いていた、これからもっと期待できそう」
「ACLに向けてこの強度を続けられれば勝てるはず」
京都サポーター
「苦しい試合展開でも勝点1を取れたのは大きい」
「ラファエル エリアス選手、救世主すぎる!」
「守備陣が最後まで集中して頑張ってくれた」
「奥川選手やトゥーリオ選手の投入で流れが変わったのは監督の采配勝ち」
「首位チームらしく簡単には負けない強さを見せた」