試合分析・戦評
J1第28節、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた横浜FC対東京ヴェルディの一戦は、残留争いを左右する重要な「シックスポイントマッチ」として大きな注目を集めた。試合は互いにゴールを割ることができず、0-0のスコアレスドローに終わったが、その内容には両チームの現在地と課題、そして可能性が凝縮されていた。
横浜FCは序盤からロングボールを多用し、前線のアダイウトン選手、ルキアン選手、ジョアン パウロ選手の推進力を活かして押し込む展開を狙った。特に前半7分の山田康太選手のヘディングや、43分のアダイウトン選手から新保選手への決定機など、ゴールに迫る場面を作り出したが、フィニッシュの精度を欠いた。一方で、守備では中盤でのセカンドボール回収を徹底し、強度の高い守りからリズムを掴んだ点は評価できる。
東京ヴェルディは立ち上がりこそ押し込まれたが、齋藤功佑選手や森田晃樹選手を中心に徐々に攻撃の時間を増やした。12分には齋藤選手の鋭いシュートがあったものの、枠を捉えられず。その後もビルドアップから相手陣内までは進出できたが、枠内シュートゼロに終わったことは課題として残った。特に後半70分の松橋優安選手の抜け出しは最大のチャンスであったが、シュートに持ち込めなかったことが悔やまれる。
後半は横浜FCが交代策を用いて流れを引き寄せ、山田康太選手や岩武克弥選手のシュートでゴールを脅かしたが、東京VのGKマテウス選手の好守が立ちはだかった。試合終盤には横浜FCの櫻川ソロモン選手が退場し、ホームチームは攻め切れず。最終的に横浜FCがシュート10本(枠内4本)、東京Vがシュート4本(枠内0本)と、数字の上では横浜FCが上回ったが、スコアは動かず痛み分けとなった。
この結果、横浜FCは残留に向けて勝ち点3が欲しかった一戦で勝ち点1にとどまり、悔しさが残る。一方の東京ヴェルディは苦しい内容ながらも勝ち点ゼロを回避し、アウェイで最低限の成果を得たと言える。互いに決定力不足が顕著となったが、終盤戦に向けて修正点と可能性を確認できた試合だった。
これからに向けて
横浜FCにとっては勝ち点3を逃したことが大きな痛手ではあるが、内容面では確実な進歩が見られた。特に前線のアダイウトン選手、ルキアン選手、ジョアン パウロ選手が連動して相手守備を崩しにかかる場面は、残留争いにおいて心強い武器となるだろう。また、山田康太選手の中盤でのプレーは攻守両面で存在感を放ち、岩武克弥選手の復帰も安定感を与えた。GKスウォビィク選手を中心に最後まで集中を切らさず、守備面で無失点に抑えたことも今後に繋がる。残り試合では、今回のようにチャンスを多く作り出しながら決定力を高めていけば、十分に勝ち点を積み上げることができるだろう。
東京ヴェルディにとっては、内容面では苦しい時間が続いたが、アウェイで勝ち点1を持ち帰れたことは大きな収穫だ。特に守備陣が体を張ってゴールを許さず、GKマテウス選手の好守が光った。また、齋藤功佑選手や森田晃樹選手が攻撃の起点として機能し、松橋優安選手の果敢な抜け出しなど、チャンスを生み出す兆しは見えている。最後まで集中して守備ブロックを維持できた点もポジティブに捉えられる。攻撃面での精度を高め、チャンスを確実に得点につなげることができれば、順位をさらに押し上げることは可能だろう。
SNSの反応
横浜FCサポーター
「内容は悪くなかったのに決めきれない…でも守備は安定してきた」
「山田選手の存在感はやっぱり大きい。これから期待」
「櫻川選手の退場は残念。でも切り替えて次に進もう」
「スウォビィク選手の安定感に助けられた」
「勝ち点3が欲しかったけど、次は勝利を!」
東京ヴェルディサポーター
「マテウス選手に救われた試合。本当に頼もしい」
「攻撃は物足りなかったけど、無失点は評価できる」
「松橋選手の抜け出しは惜しかった!次こそ決めてほしい」
「アウェイで勝ち点1なら最低限の結果」
「齋藤選手の凱旋試合を見られて良かった!」