試合分析・戦評
J1第28節、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われた川崎フロンターレ対FC町田ゼルビアの一戦は、まさに「撃ち合い」と呼ぶにふさわしい壮絶な展開となった。序盤は川崎Fがボール保持を軸にリズムを作り、伊藤選手の鋭い仕掛けから20分に先制点を奪取。しかし、町田は直近5試合で無敗を誇る勢いを示し、相馬選手とナ サンホ選手の連携から同点に追いつくと、下田選手の見事な直接FKで逆転に成功した。川崎Fは苦しい時間帯を過ごしたが、前半終了間際に山本選手のクロスをエリソン選手が頭で沈め、2-2で折り返した。
後半も両者は譲らず、川崎Fは投入されたマルシーニョ選手や宮城選手が攻撃を活性化。65分にはエリソン選手の突破から宮城選手が逆転弾を決める。だが町田も直後に相馬選手のクロスに藤尾選手が飛び込み、再び試合を振り出しに戻す。お互いに譲らぬ攻防の中、勝負を決めたのは再び川崎Fのエース、エリソン選手だった。パワフルなシュートで4点目を奪うと、最後はアディショナルタイムに脇坂選手の折り返しをマルシーニョ選手が沈め、試合は5-3で決着した。
シュート数では川崎Fが14本、町田が18本とほぼ互角、ゴール期待値でも川崎F1.85、町田1.83と拮抗。最後まで緊張感ある展開だったが、川崎Fは決定機での精度と選手層の厚さが勝利を呼び込んだ。一方の町田もリーグ屈指の堅守が崩れたものの、攻撃面では多彩な形からゴールを奪う力を見せ、内容自体は高く評価できる。観客2万2270人が見守った一戦は、シーズン終盤の優勝争いにも影響を与える熱戦となった。
これからに向けて
川崎フロンターレにとって、この試合は攻撃陣の躍動を示す象徴的な一戦となった。エリソン選手が圧倒的な存在感で2得点1アシストを記録し、伊藤選手や宮城選手、さらには途中出場のマルシーニョ選手までもが結果を残したことは、複数の得点源を持つ強みを改めて証明した。キャプテン脇坂選手も復帰戦で攻撃をリードし、攻守にバランスを与えた点も大きい。守備面では3失点を喫したものの、終盤は全員が体を張ってゴールを守り切り、勝ち切る力を取り戻した印象だ。ホームでの2連勝はサポーターにとっても大きな希望となり、優勝戦線に食らいつくための勢いをつけた。今後は守備の安定を課題としながら、攻撃力を最大限に発揮する戦いを続ければ、再び頂点を狙う姿勢を示せるだろう。
町田にとっては5失点という結果こそ厳しいものの、内容面では決して下を向く必要はない試合だった。相馬選手が左サイドからチャンスを量産し、ナ サンホ選手、藤尾選手と前線の連動性は高かった。また、下田選手の美しい直接FKは攻撃のバリエーションを広げるものであり、相手にとって脅威となった。守備陣に主力の欠場が重なった中での大幅なメンバー変更を考慮すれば、強豪川崎Fに最後まで挑み続けた姿勢は称賛に値する。終盤には白崎選手やオセフン選手ら途中出場組も決定機を作り、層の厚さを感じさせた。堅守を誇ってきたチームが乱れたことは一時的なものであり、修正力を持つ町田なら必ず立て直せる。シーズン終盤に向けても、攻守両面で成長を続けるチームの姿勢に期待が集まる。
SNSの反応
川崎フロンターレサポーター
「攻撃陣が爆発!やっぱりエリソン選手は頼もしすぎる」
「脇坂選手が戻ってきてチームが一気に安定した」
「ホームでの5得点は最高、サポーターも大満足」
「失点は多いけど最後まで走り切ったのが嬉しい」
「これでまた優勝争いに踏みとどまれる!」
FC町田ゼルビアサポーター
「結果は残念だけど、相馬選手の存在感は圧巻だった」
「藤尾選手とナ サンホ選手のゴールは自信になる」
「守田選手がゴールを守ってくれて最後まで楽しめた」
「強豪相手に3得点、攻撃は確実に進化している」
「守備の修正ができればまた連勝できるはず」