試合分析・戦評
J1第27節、JFE晴れの国スタジアムで行われたファジアーノ岡山対湘南ベルマーレの一戦は、1-0で岡山が勝利を収めた。岡山は直近のリーグ戦で勢いに乗っており、この試合でもホームの大声援を背に序盤から積極的に仕掛けていった。江坂選手を起点とした攻撃は序盤から多くのシュートを生み出し、前半だけで10本のシュートを記録。佐藤龍之介選手や宮本選手の決定機があったが、GKポープ選手や湘南の粘り強い守備に阻まれ、前半はスコアレスで折り返した。
後半に入ると岡山はルカオ選手を投入し、攻撃の圧力を一段と強めた。すると65分、右サイドでルカオ選手が突破から鋭いクロスを供給。江坂選手が巧みにボールを収め、最後は佐藤龍之介選手が冷静に左足でゴール右下へ流し込み、均衡を破った。今季先制した試合で高い勝率を誇る岡山にとって、この先制点は大きな意味を持った。
湘南も選手交代で流れを変えようとし、石井久継選手やルイス・フェリッピ選手を投入。終盤には石橋瀬凪選手も加わり、サイドからの崩しやセットプレーで岡山ゴールを脅かした。特に後半アディショナルタイム、ルイス・フェリッピ選手のFKがクロスバーを直撃する場面はスタジアムを沸かせたが、あと一歩及ばなかった。
試合全体では岡山が14本のシュートを放ち、湘南の7本を上回った。ゴール期待値でも1.15対0.47と優勢を示し、内容的にも主導権を握っていたといえる。阿部海大選手をはじめとするディフェンス陣も集中を切らさず、無失点で試合を締めたことは評価できるポイントだ。結果的に岡山はクラブ史上初となるJ1での3連勝を達成し、勢いそのままに上位をうかがう形となった。一方の湘南は粘り強さを見せながらも11試合勝利から遠ざかり、残留争いにおいて厳しい状況が続く。ただし終盤の攻勢や若手選手の躍動には、次節以降につながる光明も見られた。
これからに向けて
ファジアーノ岡山にとって、この試合はチームの成長を証明する大きな勝利となった。江坂選手を軸とした中盤からの崩し、佐藤龍之介選手の決定力、そしてルカオ選手の投入で攻撃の厚みを出せた点は戦術的な幅の広がりを感じさせた。また、阿部海大選手が久々の先発で安定した守備を披露し、最終ライン全体の強度を高めたことも見逃せない。サポーターも3連勝という結果に熱狂し、ホームでの無類の強さをさらに印象付けた。今後は上位との直接対決が増えていく中で、勝ち点を積み重ねることができればACL圏内も現実的に見えてくる。選手層の厚さや試合ごとの柔軟な采配は、今後の長いシーズンを戦い抜くうえで大きな強みになるだろう。
湘南ベルマーレは惜しくも勝ち点を持ち帰ることはできなかったが、試合終盤に見せた攻撃の迫力には確かな希望があった。特に石井久継選手や石橋瀬凪選手といった若手が途中出場で果敢に仕掛け、相手守備陣を揺さぶったことは今後の大きな財産だ。また、GKポープ選手を中心に体を張った守備は岡山の猛攻を長時間耐え抜き、簡単には崩れない粘りを示した。ルイス・フェリッピ選手のFKがクロスバーを叩いたシーンは勝負を分ける紙一重の場面であり、決して内容的に一方的な試合ではなかった。勝利から遠ざかる厳しい状況にあるが、終盤の勢いを次節につなげられればチームは再び浮上できる。粘り強さとフレッシュなエネルギーが融合すれば、残留争いを抜け出す可能性は十分に残されている。
SNSの反応
ファジアーノ岡山サポーター
「J1で3連勝とか夢みたい!佐藤龍之介選手ナイスゴール!」
「ルカオ選手が入ってから一気に攻撃が活性化した」
「阿部海大選手の安定感、久々とは思えなかった」
「江坂選手の存在感が凄い、攻撃の中心そのもの」
「満員のスタジアムで勝てて最高!上位進出も現実味ある」
湘南ベルマーレサポーター
「最後のフェリッピ選手のFK惜しすぎた…」
「若手の石井選手や石橋選手が光ってた、未来は明るい」
「ポープ選手のビッグセーブに救われた場面が多かった」
「負けはしたけど終盤の攻めは希望になった」
「あと一歩で勝ち点取れた試合、切り替えて次へ!」