試合分析・戦評
J1第26節、埼玉スタジアム2002で行われた浦和レッズ対名古屋グランパスの一戦は、2-1で浦和が勝利を収めた。立ち上がりは名古屋が前から圧力をかけ、浦和のビルドアップを制限する入りを見せたが、先制点を奪ったのは浦和だった。前半7分、マテウス サヴィオ選手の仕掛けから小森 飛絢選手が左足でゴールネットを揺らし、幸先よくリードを奪う。さらに前半32分には金子 拓郎選手の展開から再びMサヴィオ選手が決定的な一撃を沈め、2点差とした。浦和は小森選手が途中交代を余儀なくされる不運もあったが、この追加点で流れをつなぎ、前半を優位に折り返した。
後半は名古屋がギアを上げ、立て続けにCKやクロスから決定機を作り出す。特にKユンカー選手を軸にゴール前での存在感を発揮し、浦和守備陣を押し下げた。迎えた66分には、中山 克広選手のクロスに合わせた原 輝綺選手が豪快なボレーを叩き込み、名古屋が1点差に迫る。以降も名古屋は交代カードを駆使して攻勢を強め、シュート数では16本と浦和を上回った。だが最後の局面で浦和守護神・西川 周作選手が好セーブを連発し、試合の趨勢を決定づけた。
浦和は終盤こそ防戦一方の展開となったが、少ないチャンスを確実に得点に結びつけ、守備陣が粘り強く対応したことで勝点3を手にした。名古屋にとっては内容で押しながらも決定力に泣き、勝負どころでの精度に課題を残した試合となった。
これからに向けて
浦和にとってこの勝利は、上位争いに食らいつくための大きな一歩となった。小森 飛絢選手の先制点とMサヴィオ選手の追加点は、前線の決定力がチームを救う形となり、限られた好機を確実に仕留められることを示した。また、交代策として投入された松本選手や関根選手らが守備面で貢献し、全員で勝利を掴み取った印象だ。特筆すべきは西川 周作選手の存在感であり、後半の名古屋の猛攻を幾度も阻止したセービングは勝因のひとつとなった。試合終盤の粘り強さは、チーム全体の勝負強さが戻ってきた証でもある。攻撃面では得点機会がやや少なかった点が課題だが、サイド攻撃やショートカウンターから決定的な形を作れていることは好材料。今後も上位戦線を戦い抜くためには、守備の安定を維持しつつ追加点を奪う力を高めることがポイントとなるだろう。
名古屋は結果こそ敗戦となったものの、内容面では多くの収穫があった試合といえる。特に後半の攻撃は圧巻で、クロスからの多彩な崩しで浦和守備を脅かした。中山 克広選手や原 輝綺選手といったサイドからの推進力が際立ち、実際に1点を奪うことにも成功した。また、Kユンカー選手の存在感はゴールこそなかったものの、相手に脅威を与え続けた。交代出場した浅野選手や木村選手も積極的にゴール前に絡み、攻撃の厚みをもたらした点は明るい材料だ。課題は決定機を確実に得点に変える部分と、立ち上がりの失点対応だろう。しかし、最後まで攻め続ける姿勢は評価されるべきであり、今後に向けてはこの攻撃的な姿勢を継続すれば巻き返しは十分可能だ。チーム全体としての連動性も高まってきており、上位との差を詰めるきっかけとなる試合となった。
SNSの反応
浦和レッズサポーターの反応
「西川選手の神セーブに感謝。守護神が健在!」
「小森選手、またゴール!チームの新しい得点源だね」
「苦しい時間帯もあったけど、勝ち切ったのは大きい」
「サヴィオ選手のシュート、芸術的すぎる」
「終盤の粘りは今季ベストゲーム級」
名古屋グランパスサポーターの反応
「内容では完全に勝っていた、決定力だけが足りない」
「中山選手と原選手のコンビは脅威になっている」
「西川選手が立ちはだかった…あれがなければ同点だった」
「交代選手が躍動したのはポジティブ。次につながる」
「惜しい試合。でもこの攻撃姿勢は今後に期待できる」