試合分析・戦評
J1第25節、三協フロンテア柏スタジアムで行われた柏レイソル対湘南ベルマーレの一戦は、柏が2-0で勝利を収めた。試合前の状況は、3位の柏が上位争いを維持するために必勝を期す一方、17位の湘南は残留圏脱出を狙う重要な一戦。序盤は湘南が4分に鈴木章斗選手の直接FKとこぼれ球シュートで先にゴールを脅かすが、得点には至らなかった。柏は10分、渡井理己選手の突破から仲間隼斗選手がシュートを放つも、ポープ選手の好守に阻まれる。両チームとも守備陣の集中が高く、拮抗した展開が続いた。
中盤以降は柏がポゼッションを高め、湘南陣内でのプレー時間を増加。特に三丸拡選手や久保藤次郎選手のサイド攻撃が機能し、徐々に決定機を作る。迎えた前半44分、渡井選手のクロスが相手に当たり、こぼれ球を小屋松知哉選手が右足で豪快に叩き込み、柏が先制。小屋松選手は2試合連続ゴールで好調を維持した。
後半も柏が試合の主導権を握り、瀬川祐輔選手や原川力選手の投入で攻撃に厚みを加える。湘南はカウンターを狙うも、柏守備陣の対応に阻まれシュート機会は限定的だった。終盤の90分、細谷真大選手のスルーパスから小西雄大選手が右サイドを突破し、中川敦瑛選手がリーグ戦初ゴールとなる一撃を決めて試合を決定づけた。最終的なシュート数は柏12本、湘南6本、ゴール期待値も柏2.44対湘南0.28と、柏の完勝を裏付ける内容となった。
柏はポゼッション70%超と試合を完全に掌握し、ビルドアップからの崩しとクロス攻撃が冴えた。一方の湘南は新加入選手の積極起用で変化を試みたが、攻守の切り替えの精度と最後の局面での精度に課題を残した。
これからに向けて
柏は中断明け初戦を白星で飾り、チーム全体のコンディションと集中力の高さを示した。特に小屋松知哉選手の連続得点と、中川敦瑛選手のプロ初ゴールは、攻撃陣の得点源が多様化している証拠だ。ビルドアップからサイド攻撃へのスムーズな展開は今後の試合でも有効であり、選手層の厚みも試合終盤での追加点につながった。守備面でも古賀太陽選手や馬場晴也選手を中心に安定感があり、湘南のカウンターをほぼ封じた。今後は上位直接対決が増える中で、このポゼッションと試合運びの安定感を維持できれば、優勝争いにも十分絡んでいけるだろう。
湘南は結果こそ伴わなかったものの、序盤から積極的な仕掛けで柏守備陣を脅かす場面を作った。特に鈴木章斗選手や池田選手のミドルシュート、松本大弥選手のドリブル突破は攻撃の可能性を感じさせた。新加入の太田修介選手や松本選手のプレーは、チームの攻撃バリエーションを広げる要素となる。守備面では相手の厚い攻撃を受けながらも中央での粘りを見せた場面もあり、個々の守備意識は高い。今後は攻守の切り替えスピードとゴール前の精度を向上させれば、残留争いからの脱出も十分可能だ。
SNSの反応
柏レイソルサポーター
「小屋松選手、2戦連発は頼もしすぎる!」
「中川選手の初ゴール、泣けた…これからが楽しみ」
「久保選手と渡井選手のサイド攻撃が効きまくってた」
「原川選手の復帰は本当に大きい」
「内容も結果も完璧な中断明けスタート!」
湘南ベルマーレサポーター
「惜しい場面はあった…あとは決めきるだけ」
「松本大弥選手の突破は期待できる」
「守備の粘りはあったけど、攻撃が単発すぎる」
「太田選手にもっとボールを集めたい」
「ここからが正念場、まだ諦めない」