試合分析・戦評
J1第24節、新潟と広島の一戦は、広島の0-2の完勝で幕を閉じた。立ち上がりから試合の主導権を握ったのはアウェイのサンフレッチェ広島。前半2分、ジャーメイン良選手のミドルシュートのこぼれ球に反応した東俊希選手が、左足でゴール右下に流し込んで早々に先制。これで広島は今季、先制時無敗の記録を更新することとなった。
その後も広島は田中聡選手、中野就斗選手らがテンポよくパスをつなぎ、ペナルティエリア内への侵入を繰り返した。中盤では川辺駿選手がセカンドボールを支配し、新潟に攻撃の糸口を与えなかった。
新潟も徐々に試合に入り、ボランチ脇のスペースで小野裕二選手や長谷川元希選手が起点となり、白井永地選手や奥村仁選手が果敢にシュートを放った。特に前半終盤の42分、笠井佳祐選手の突破から惜しいシュートを放つなど、流れを掴みかける場面もあった。
しかし、後半開始直後の48分、中野選手のシュートのこぼれ球を木下康介選手が押し込んで広島が追加点。これにより再び試合は広島のペースに。新潟は新加入の島村拓弥選手や舩木翔選手、星雄次選手らを次々に投入し、打開を図ったが、ゴール前の精度を欠き得点には至らなかった。
広島は最後まで集中を切らさず、終盤まで前からの守備を緩めることなく圧力をかけ続けて試合を締めた。これで広島は公式戦3連勝とし、順位を4位に浮上。一方の新潟は5連敗となり、ついに最下位に転落。攻守の質、決定力の差がそのまま結果に表れた試合であった。
これからに向けて
結果としては悔しい敗戦となったが、新潟にとっては光明もあった。新加入の白井永地選手や植村洋斗選手、途中出場の島村拓弥選手や舩木翔選手らが、それぞれ積極的なプレーで個々の良さを出しており、チームの底上げに繋がっている。前半から後半にかけてボール保持率を高め、ポゼッションでは互角以上の数字を残した点は、今後に向けたポジティブな材料だ。
また、千葉和彦選手がクラブ最年長出場記録を更新するなど、ベテランと若手の融合も進んでいる。新戦力が噛み合っていけば、浮上のきっかけは必ずつかめるはずだ。得点こそ奪えなかったが、ゴール期待値(xG)も1.22と、決してチャンスがなかったわけではない。次節以降、1点をもぎ取るための精度と連携が整えば、連敗脱出も近いだろう。
広島にとっては、狙い通りの完勝。前線のジャーメイン良選手や中村草太選手、東俊希選手らが高い位置から連動してプレスをかけ、序盤での得点と追加点で試合をコントロールした。先制時無敗というデータが裏付ける通り、試合の入り方に明確な意識があることは大きな強みだ。
また、後半の選手交代も的確で、加藤陸次樹選手や中島洋太朗選手といった控え選手もインテンシティを落とさず、ゲームのテンポを維持したことは評価に値する。GK大迫敬介選手の安定したセービング、川辺駿選手の中盤での守備範囲も含め、チーム全体での連携が完成度の高さを物語っている。
この勝利で4位に浮上し、ACL圏内も視野に入ってきた。勢いを継続し、上位追走に弾みをつける一戦となった。
SNSの反応
アルビレックス新潟サポーターの反応(X・インスタ)
「負けたけど島村選手の推進力には期待が持てる!」
「チャンスはあった、あとは決めきるだけ…!」
「今日の藤田選手は本当によく止めた、感謝しかない」
「新加入組、フィットすれば絶対変わる。次だ次!」
「勝ちたいけど、今は我慢の時期かも」
サンフレッチェ広島サポーターの反応(X・インスタ)
「連勝気持ちいい!このままACL圏内いける!」
「東選手のシュート最高!冷静すぎた」
「木下選手の泥臭いゴールに拍手👏」
「中野選手が効きすぎてて、新潟守備大変そうだったな」
「後ろも安定してて安心して観ていられた!」