試合分析・戦評
J1第23節、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた“横浜ダービー”は、横浜FMがPKによる1点を守り抜き、貴重な勝利を挙げた。
横浜FCは今季最多の13,300人のサポーターが見守る中、5連敗脱出を目指して積極的な姿勢を見せた。3-4-2-1の布陣で挑み、開始早々から櫻川選手、ルキアン選手ら前線の個を生かしたロングボール主体の攻撃で圧力をかけ、コーナーキックやシュートで横浜FMゴールを脅かした。前半のポゼッションも五分で、シュート数では横浜FCが7本と上回ったが、最後の精度を欠いてスコアレスで折り返す。
対する横浜FMは4-2-1-3の布陣で臨んだが、前半は攻守の噛み合わせに苦しみ、自陣に押し込まれる展開が続いた。だが、後半から交代策も交えつつ徐々にリズムをつかむ。特に右サイドのヤンマテウス選手、天野選手を起点とした攻撃が効果を発揮。後半33分には、松村選手の仕掛けから渡辺皓太選手がPKを獲得し、アンデルソン・ロペス選手がこれを確実に沈めて先制。彼にとってはリーグ戦では開幕以来のゴールとなった。
その後、横浜FCも遠藤貴成選手、福森選手、ジョアンパウロ選手らを投入して攻勢を強めたが、中央を固める横浜FMの守備に跳ね返され続け、最後までネットを揺らすことはできなかった。
試合を通して、横浜FCはシュート12本を放ち、積極的に攻める姿勢を見せながらも決定力不足が露呈。横浜FMはわずか1本の枠内シュートをPKで確実に決め、期待値1.22の攻撃効率を見事に実らせた。横浜ダービーではニッパツで初勝利を挙げ、残留争いに向けて大きな一歩を踏み出した。
これからに向けて
横浜FCはこの試合、直近の連敗を断ち切ろうという強い意志を感じさせる立ち上がりで、試合を通して横浜FMを上回るシュート数と攻撃的な姿勢を貫いた。櫻川選手、ルキアン選手を前線に据えた戦術は機能し、特に新保選手のキック精度やユーリララ選手のミドルシュートなど、複数の選手がゴールに迫るシーンを作った。
また、守備面でもAロペス選手ら個の力が強い横浜FMの前線に対して冷静に対応し、試合の大部分を主導することに成功していた。最後は一瞬の隙でPKを献上し、悔しい結果となったが、全体としては内容のあるパフォーマンスだった。
攻撃陣のフィニッシュワークとセットプレーの精度を磨くことで、勝利は十分手の届くところにある。次節以降もこの積極性を継続し、勝点奪取につなげたい。
横浜F・マリノスにとって、この“横浜ダービー”での勝利は今季の中でも特に価値あるものとなった。前半は相手の勢いに押される苦しい展開ながらも、粘り強い守備とGK朴選手の安定感で無失点に抑え、後半は交代策を含めた修正力が光った。
特に注目すべきは、途中出場の松村選手が与えた攻撃への活性化と、渡辺皓太選手のPK獲得の場面での判断力、そしてAロペス選手が冷静に決め切った決定力である。1本の枠内シュートに凝縮された集中力と勝負強さが勝点3を引き寄せた。
チーム全体としても、きっ抗した展開の中で失点を許さずに粘り強く戦えた点は、今後の残留争いにおいて大きな自信となるだろう。この勝利をきっかけに、浮上のきっかけをつかんでいきたい。
SNSの反応
📣横浜FCサポーターの声
「内容は悪くなかった。あとは決めきるだけだ…!」
「櫻川選手の突破力すごかった。未来は明るい。」
「新保選手のキック精度、どんどん良くなってる!」
「ジョアンパウロ選手の投入で流れ変わったけど惜しかった」
「5連敗はキツいけど、今日は戦えていたと思う!」
📣横浜FMサポーターの声
「Aロペス選手、ついに決めた!頼れる男!」
「渡辺選手のPK奪取、執念を感じた!」
「松村選手、ドリブルからの流れ完璧だった」
「やっとニッパツでダービー勝てた!歴史的!」
「内容は苦しかったけど、勝点3が全て!」