試合分析・戦評
7月5日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuにて行われたJ1第23節は、川崎フロンターレが鹿島アントラーズに2-1で逆転勝利を収めた。蒸し暑いナイトゲームとなったこの一戦は、チケット完売の満員のスタジアムで熱気に包まれた。
試合は序盤から川崎Fが主導権を握る展開。攻撃の起点となったのは家長昭博選手や山田新選手で、左サイドを中心に積極的な仕掛けを見せた。しかし、先にゴールネットを揺らしたのはアウェイの鹿島だった。前半25分、キムテヒョン選手のロングフィードに反応した松村優太選手が巧みに折り返し、最後はレオセアラ選手が冷静に押し込み先制点。鹿島はリーグ戦で先制した試合の勝率が8割超とあり、優位な展開に持ち込んだ。
だが、川崎Fは前半終了間際、CKからのこぼれ球を伊藤達哉選手が押し込み、同点に追いつく。さらに後半13分には途中出場のマルシーニョ選手が、家長選手の折り返しをしっかりと仕留めて逆転に成功した。
試合を通じて川崎Fはシュート数16本、枠内6本、ゴール期待値1.82と攻勢を貫き、守備面でも鹿島に決定的な場面をほとんど与えなかった。特に今季ラストマッチとなる高井選手の守備対応が光り、終盤の鈴木優磨選手のヘディングもGK山口瑠伊選手が懸命にセーブ。首位・鹿島を相手に価値ある勝利を掴み取った。
これからに向けて
川崎Fにとってこの勝利は、上位争いに向けて大きな意味を持つ。首位・鹿島との勝点差を3に縮めたことで、今後の展開次第では再び優勝争いに名乗りを上げることも十分可能だ。新戦力の河原創選手がボランチとして安定感あるプレーを見せ、山本悠樹選手との中盤の連携も機能していた。さらに、途中出場のマルシーニョ選手が決勝ゴールという結果を残し、チームの層の厚さを証明したのも好材料である。
また、家長昭博選手はアシストに加えて攻守に渡ってゲームをコントロールし、まさに精神的支柱の存在感を発揮した。高井選手の国内最終戦というエモーショナルな要素もあり、スタジアム全体が一体となった雰囲気がチームのパフォーマンスを押し上げた印象だ。残りのシーズンもこの勢いを継続すれば、巻き返しは十分可能だ。
鹿島にとっては悔しい敗戦となったが、依然として首位をキープしている状況は変わらない。序盤からの効率的なカウンター、特に松村優太選手とレオセアラ選手の連携は鋭さを見せており、先制点の形はチームが描く攻撃の理想形と言えるだろう。
守備面ではGK早川友基選手のビッグセーブが幾度となく光り、粘り強い対応で大量失点を防いだ。途中交代で投入されたチャヴリッチ選手や柴崎岳選手といったタレントも多く、ベンチから流れを変えられる可能性を常に持っている。
課題は中盤のボール保持と試合終盤の集中力維持だが、そこを改善できればタイトル獲得に向けた視界は良好だ。次節以降の巻き返しに期待がかかる。
SNSの反応
川崎フロンターレサポーター
「高井選手、本当にお疲れ様!最高の送り出しだった!」
「家長選手、今日も神だった。何歳になっても頼れる男」
「伊藤選手、決めてくれてありがとう!同点ゴールは痺れた」
「マルシーニョ選手、流れを変える男!スーパーサブ!」
「首位相手に逆転勝利とか最高すぎて寝れない!」
鹿島アントラーズサポーター
「レオセアラ選手のゴールはさすが。あの決定力は本物」
「早川選手がいなかったらもっと失点してた。ありがとう!」
「押し込まれる展開だったけど、1点差で踏ん張ったのは評価」
「途中交代のタイミング、もう少し早くてもよかったのでは」
「まだ首位陥落だけど、気持ち切り替えて次に期待!」