試合分析・戦評
2025年7月5日に行われたJ1第23節「ファジアーノ岡山 vs サンフレッチェ広島」は、中国地方を本拠地とする両クラブによる“中国ダービー”第2戦として大きな注目を集めた。15,451人の観客がJFE晴れの国スタジアムに集まり、最後の最後まで手に汗握る攻防が繰り広げられた。
試合は立ち上がりから広島が主導権を握り、ポゼッションやセットプレーを活かして攻め込む展開が続いた。中村選手やジャーメイン選手らが積極的にゴールを狙い、前半だけで6本のシュートを放つなど、岡山陣内に押し込む場面が目立った。
一方の岡山は、田上大地選手を中心にした集中した守備とカウンターを狙う戦術で応戦。前半31分にはルカオ選手の突破から江坂任選手が決定的なチャンスを迎えるも、シュートは枠を捉えられず。その後も江坂選手や木村選手が鋭いシュートを放つ場面があったが、広島GK大迫敬介選手の好セーブに阻まれた。前半は0-0で折り返した。
後半、広島は木下康介選手と田中聡選手を投入し、さらに攻勢を強める。中野選手や川辺選手が鋭いクロスを供給し、再三決定機を作るも、岡山GKスベンド・ブローダーセン選手の好守が立ちはだかる。岡山もウェリック・ポポ選手の投入などで応戦し、佐藤龍之介選手のドリブル突破やルカオ選手との連携で反撃の糸口を探った。
しかし、試合は90+7分に劇的な展開を迎える。広島のCKから木下選手が折り返し、中村選手が押し込んで待望の先制点。これが決勝点となり、広島が0-1で勝利。シュート数は岡山9本、広島16本、枠内シュートは互いに5本ずつと拮抗した内容ながらも、最後の一瞬をものにした広島が“ダービー”を制した。
これからに向けて
ファジアーノ岡山は惜しくも敗戦となったが、チーム全体の守備力と粘り強さが光った試合だった。田上選手や神谷選手を中心とした守備陣の奮闘、そしてGKスベンド・ブローダーセン選手のファインセーブが随所に見られ、試合終盤まで広島の猛攻をシャットアウトし続けた。攻撃面ではルカオ選手、佐藤龍之介選手の突破力、そして江坂選手の柔軟なプレーでチャンスを創出する場面もあり、あと一歩で得点に結びつく形が見えた。結果こそ伴わなかったが、チームとしての守備の連携や途中交代選手のインパクトなど、今後の試合に向けた収穫も多い内容だった。次節以降は、この粘り強さにゴールという結果が加われば、再び勝点を積み上げられるだろう。
サンフレッチェ広島にとって、この勝利は非常に大きな意味を持つものとなった。直近の連戦でやや疲労の見える中でも、集中力と攻撃の意識を保ち続け、最後までゴールを追い続けた姿勢が実を結んだ。中村草太選手の決勝ゴールはもちろん、木下康介選手の折り返しや前田直輝選手のCKなど、途中出場選手たちが勝負を決めた点もポジティブ要素であり、チーム全体の層の厚さを証明した。守備陣では大迫敬介選手の好セーブが勝利を支え、最少失点で終えた点も評価されるべきだ。試合を通じてセットプレーの精度や2列目の連携も良く、今後さらに勝点を伸ばすうえで大きな自信になるだろう。
SNSの反応
ファジアーノ岡山サポーターの反応
「最後の失点は悔しいけど、よく守った。次こそ勝とう!」
「ルカオ選手、佐藤龍之介選手のコンビはもっと見たい!」
「GKブローダーセン選手、スーパーセーブ連発だった👏」
「スタジアムの雰囲気、最高だった!また行きたい!」
「敗戦でも胸を張れる内容だったよ。感動した!」
サンフレッチェ広島サポーターの反応
「中村選手のゴール、泣いた…!まさにヒーロー✨」
「木下選手の折り返しも最高すぎた!交代策ズバリ」
「広島はやっぱり最後に強いチームだと実感」
「連戦できつい中、よく戦ってくれた。お疲れ様!」
「ダービー勝利、嬉しすぎる!これはでかい勝点3!」