試合分析・戦評
県立カシマサッカースタジアムで行われた「J1 第12節」鹿島アントラーズ対名古屋グランパスは、序盤から名古屋が[3-4-2-1]の機動力を生かし主導権を握った。永井選手と森島選手が縦関係で鹿島の最終ライン背後を狙い、前半だけでシュート6本、xG0.51を記録するなどゴールの気配を漂わせたが、GK早川選手がビッグセーブを連発。鹿島は[4-4-2]の中盤ブロックが後手に回り、ボール保持率44%にとどまったものの、植田選手と三竿選手の中央が粘り強く跳ね返しスコアレスで折り返す。2025年第12節_鹿島vs名古屋
後半開始と同時に大岩監督は田川選手、柴崎選手を下げ松村選手、舩橋選手を投入。これが試合の流れを一変させる。松村選手の推進力で左サイドの安西選手が高い位置を取れるようになり、名古屋の3バックを横に揺さぶることに成功。9分、荒木選手のFKに植田選手が飛び込みこぼれたボールを知念選手が頭で押し込み先制する。鹿島はリーグ戦で先制した6試合中5勝と“逃げ切り体質”が際立つが、この日も例外ではなかった。後半21分のCKから鈴木選手が決定機を迎えるなど追加点のチャンスを作りつつ、最終局面では5バック化し名古屋のサイド攻撃を遮断。終盤に浅野選手、杉浦選手を投入し前線の高さとスピードを増した名古屋に対しても、荒木選手→ブレーネル選手と交代カードで運動量を補填し、1点リードを守り切った。2025年第12節_鹿島vs名古屋
最終的なスタッツはシュート数10対8、xG0.95対0.78と数字上は拮抗。しかし鹿島は交代策で主導権を奪い返し、球際での競り合い勝率を60%超まで高めるなど“試合巧者”ぶりを示した。一方の名古屋は中盤で稲垣選手・椎橋選手がパスコースを複数用意できていたが、最後のフィニッシュワークに精度を欠き無得点。鹿島はこの白星でJ1通算600勝を達成、名古屋は今季アウェイ未勝利が続く形となった。2025年第12節_鹿島vs名古屋
今後
鹿島アントラーズは、守備の粘り強さと状況対応力はリーグ随一です。特に植田選手と三竿選手のCBコンビは対人も空中戦も安定しており、1点を先に奪えば勝ち切れる安心感があります。今後は松村選手や舩橋選手といった若手が攻撃を加速させるオプションとして機能し始めた点に注目です。荒木選手のプレースキック精度は大きな武器で、セットプレー得点を量産できれば優勝戦線に留まり続けるはず。知念選手が9番として結果を出し続ければ、鈴木選手とのツインタワーで相手DFを深く押し下げられるため、セカンドボール回収率がさらに向上するでしょう。連戦が続く夏場に向けては、中盤のローテーションを確立できれば、シーズン後半の失速を防ぎタイトルレースをリードする可能性が高まります。
名古屋グランパスは、負けはしたものの前半の試合運びは非常にポジティブでした。最終ラインから森島選手・永井選手へ縦パスを刺す形は鹿島守備を大きく揺さぶり、xG0.51を創出。そこにマテウス選手のシュートセンスが加われば複数得点も狙えます。守備ではシュミット選手が相変わらずビッグセーブを連発し、野上選手・三國選手のラインコントロールも整理されていました。課題はゴール前の決定力ですが、新戦力の原選手、中山選手が攻撃に厚みをもたらしており、連携が深まれば自然と得点機は増えるはず。アウェイで勝点を拾えれば上位戦線に再浮上できる力は十分。連戦時のターンオーバーとセットプレーのバリエーションを増やすことで、さらなる勝ち星が期待できます。
SNSの反応
鹿島アントラーズサポーター
「知念選手のヘディング痺れた!セットプレーの強さこそ鹿島の伝統」
「荒木選手、今日もキック精度えぐい。FKから全部チャンスになる」
「松村選手のドリブルで流れ変わった。若手の台頭が頼もしい」
「J1通算600勝おめでとう!歴史をまた更新!」
「終盤の守備ブロック完璧。これぞ鹿島の勝ちパターン」
名古屋グランパスサポーター
「前半の内容めちゃくちゃ良かっただけに無得点が悔しい…」
「シュミット選手ナイスセーブ!1失点で抑えたのは評価したい」
「原選手と中山選手が入ってから攻撃の幅が広がった。次に期待」
「もっと森島選手の足元にボールを入れて崩したいね」
「アウェイ初勝利はもう目前!チームとしての形は見えている」