試合分析・戦評
J1第12節、サンガスタジアム by KYOCERAで行われた京都サンガF.C.対横浜FCの一戦は、2-1で京都サンガF.C.が勝利した。立ち上がりは横浜FCが[3-4-2-1]の可変システムでボールを保持し、福森選手・山根選手の両ウイングバックを起点に厚みのあるクロス攻撃を連発。前半20分時点でシュート数1-6、xG0.07-0.77と完全に押し込まれたが、京都は最終ラインの宮本選手と鈴木選手を中心にペナルティエリア内を締めて耐える。すると15分、カウンターの流れから原選手が左足を振り抜き、今季抜群の決定力を見せて先制に成功。京都は先制時の勝率が高く(ここまで4勝2分)というデータどおりリードを守って前半を終えた。
後半は横浜FCが開始早々にギアを上げ、山根選手の折り返しをルキアン選手が沈めて同点。xG1.08まで積み上げた勢いで逆転を狙ったが、京都は須貝選手の投入で左サイドの守備を安定させると共に、奥川選手を投入して前線の推進力を強化する。すると25分、奥川選手がドリブルで中央を切り裂き左足でネットを揺らし再び突き放す。以降は[4-1-4-1]気味にブロックを下げ、米本選手をアンカーに置いてセカンドボール回収に専念。横浜FCは鈴木準選手、櫻川選手らの高さを生かしたパワープレーを試みたが、GK太田選手の好守もあり最後まで得点を奪えなかった。最終的なシュート数は9-12、ポゼッションは46-54%と数字上は横浜FCが上回ったものの、京都は少ない好機を確実にモノにして勝点3を獲得した。
勝敗を分けたポイントは「効率」と「交代策」。横浜FCはファイナルサード侵入後の精度不足で前半枠内シュート0本に終わり、後半も決定機を活かし切れず。対する京都はシュート4本枠内中2得点という決定力に加え、奥川選手投入後の可変[4-2-3-1]で中盤のギャップを作り、相手WBの背後を突く狙いがはまった。これで京都はホーム5連勝、横浜FCは4試合ぶりの黒星となった。
今後
京都サンガは、逆境でも慌てずゲームプランを遂行できた点が大きな収穫です。原選手・奥川選手という“違いを生み出すアタッカー”が形にこだわらず点を取れたこと、そして途中出場の須貝選手・米本選手がリード時の守備強度を高めたことは、今後の長いシーズンを戦う上で大きな武器になります。連戦が続く中でも交代カードの幅が広がったことで、疲労マネジメントとゲームコントロールの両面に自信を持てるはず。次節以降はボール保持時のビルドアップ精度を向上させ、主導権を握る試合も増やしていきたいところです。
横浜FCは敗れはしたものの、ウイングバックを高く張らせたサイドアタックと、前線トライアングルの連動は機能していました。特に福森選手・山根選手のクロス精度はリーグ屈指で、ルキアン選手の得点も狙いどおりの形。守備では高い位置からのプレッシングが京都に的確な前進を許さず、敵地でシュート・xGともに上回れた点はポジティブ材料です。今後はリードされた局面でのゲームマネジメントと、セカンドボール回収率を高めることで勝点を積み上げられるはず。次節は今日見せた攻撃的姿勢を継続しつつ、終盤でのパワープレー時に厚みを持たせる交代策にも期待です。
SNSの反応
京都サンガF.C.サポーター
「奥川選手の切り裂きドリブル痺れた!スーパーサブというよりエースだわ」
「原選手が決めると負けないジンクス継続。優勝あるぞ!」
「須貝選手の守備で流れ変わった。地味だけどMVP級」
「太田選手、終盤のビッグセーブありがとう!」
「今日はスタジアムの一体感がすごかった。観客1万人超えは伊達じゃない」
横浜FCサポーター
「ルキアン選手の決定力はやっぱり別格。追加点欲しかった…」
「福森選手のクロス精度エグい。何本でも上げてほしい」
「内容は押してただけに悔しい。次は決め切ろう!」
「櫻川選手の高さは武器になる。終盤もっと使ってほしい」
「市川選手の1対1セーブは神。あのプレーで希望は見えた」