試合前展望
J1リーグ第2節、FC東京と町田の一戦が味の素スタジアムで行われた。この試合は、FC東京にとってはホームでの初勝利を目指す重要な試合であり、一方の町田にとっては開幕2連勝を狙う試合となった。両チームの予想フォーメーションは3-4-2-1で、町田は菊池選手に代えてドレシェヴィッチ選手をスタメン起用。過去の対戦成績では町田が2勝0敗と優位に立っており、堅守速攻のスタイルでFC東京の攻撃を封じることが期待された。FC東京は、ボールを握る時間を長くし、攻撃的な姿勢を貫けるかがカギとなる試合だった。
前半
試合は町田のキックオフで開始。両チームとも慎重な立ち上がりを見せ、最初の10分間はシュートが少なく、決定機を作るのに苦しんだ。FC東京は左サイドを中心に攻め、10分には俵積田選手のCKから森重選手がシュートを放つが、ゴールポストに嫌われる。その後も仲川選手や小泉選手がシュートを放つが、枠を捉えられず得点には至らなかった。
町田はボールを奪うと素早く攻撃に転じ、西村選手や相馬選手が積極的にシュートを狙った。特に20分には相馬選手がペナルティエリア中央でシュートを放つも、FC東京の守備陣がブロック。試合の流れとしてはFC東京がややボールを持つ時間が長かったものの、決定的な場面を作ることができず、町田もカウンターを狙いながら少ないチャンスをうかがう展開となった。
終盤にかけても両チームとも決定機を迎えられず、町田はオセフン選手が前半終了間際にクロスからシュートを放つが、枠の外。結局、前半は両チーム無得点で終了し、ポゼッションは50%ずつ、シュート数も互角に近い形で折り返した。
後半
後半はFC東京のキックオフで再開。開始直後から町田がやや攻勢に出て、5分にはオセフン選手がペナルティエリア内でボールを受けるも、決定機にはつながらなかった。FC東京は途中交代で安斎選手や佐藤選手を投入し、サイドの活性化を狙ったが、町田の守備を崩すのに苦戦。逆に町田は相馬選手を中心に左サイドからのドリブル突破を試み、チャンスを作るシーンが増えていった。
後半30分を過ぎると試合は徐々にオープンな展開となり、37分、ついに均衡が破れる。町田の中山選手が左サイドからクロスを供給し、西村選手がゴール中央から右足で冷静にシュートを決め、町田が先制。このゴールで町田がリードを奪った。
FC東京は反撃を試み、E・ガウディーノ選手や橋本選手を投入して攻撃を活性化。後半41分には安斎選手がペナルティエリア手前からシュートを放つも、中山選手にブロックされる。最後まで攻め続けたが、町田の堅守を崩しきれず、試合は0-1で町田が勝利。シュート数はFC東京9本、町田8本と拮抗していたが、唯一の枠内シュートを決めた町田が勝ち点3を獲得した。
総括
試合は終始拮抗した展開となったが、最後の決定力で町田が一歩上回った。FC東京はボール保持率を高めながらも、決定的なチャンスを作る回数が少なく、フィニッシュの精度にも課題を残した。特に枠内シュートが1本にとどまったことが、この試合の結果を分けた要因の一つと言える。一方、町田は持ち前の堅守を発揮し、FC東京に自由を与えなかった。特に相馬選手のドリブルや中山選手のクロスが攻撃のポイントとなり、それが決勝点へとつながった。
FC東京としては、ポゼッションは互角ながらも決定機を作り切れなかった点が今後の課題となる。町田は、少ないチャンスを確実に仕留める力を見せ、守備の安定感も光った。この試合の結果で町田は開幕2連勝を達成し、勢いに乗る形となった。
今後
FC東京は試合を通じてポゼッションを保ち、主導権を握る時間帯を作ることができた。特に俵積田選手や長友選手のサイド攻撃は今後の大きな武器になり得る。また、途中出場の選手たちも果敢にプレーし、交代策が機能した場面もあった。次節以降はフィニッシュの精度を高め、よりゴールへ直結するプレーを増やすことが求められるが、チーム全体のポテンシャルは高い。
町田は守備の堅さとカウンターの鋭さを見せ、シーズン序盤から好調を維持している。特に相馬選手の突破力と中山選手のクロス精度は、今後の攻撃の鍵となるだろう。また、西村選手の決定力が光り、限られたチャンスを確実にモノにする強さを発揮した。次節以降もこの堅実な戦い方を続ければ、さらなる勝ち点の積み上げが期待できる。